467話
翌日の朝。太陽が顔を出し、朝のひんやりとした空気を肌で感じながら、誰も未だ通っていない積もった雪をの部分をさくりさくりと音を立てながら歩き、大粒の雪が降り注ぐ中、コウ達は予定通りに冒険者ギルドへと向かっていた。
そして冒険者ギルドへと到着し、建物の中に入ると、いつもは混み合っている筈なのに今日は何故か冒険者の数がそこまで多くはない。
しかしそれでも掲示板の前には多少なりとも群がっており、貼られたばかりの依頼をどれにしようかと悩んでいたりする。
「じゃあまずは昨日ミランダに聞いた話に似た依頼でも探すか」
「そうですね~」
「キュイ!」
とりあえず今回の目的であったミランダの話していたものと似た依頼を探すために掲示板に群がっている冒険者達の後ろに立つと、掲示板に群がっていた冒険者達がそそくさと捌けていくではないか。
はて...?彼らには何もしていないのに何故だろうと思っていると、ひそひそと会話が聞こえてくるので、耳をすませて内容を聞いてみると、どうやらBランク冒険者だの最少年だの単語が聞こえてくる。
まぁ単語的に悪口などの話ではなさそうなので、気にする必要性はなさそうではあるし、なんならローランではそれなりに名が広まってきたという証だと思われる。
気分としては悪くはないのだが、何だか少しだけむず痒い気持ちになってしまう。
ただ捌けてくれたのは有り難いが、天狗になって踏ん反り返り、傲慢になるのは良くないということなので、掲示板に近寄ることはなく、わざと遠目で掲示板に貼られている依頼書を確認していく。
「ミランダが言っていた話に似た依頼は無さそうだな」
「みたいですね〜どれもこれも違いますし〜」
「キュ〜」
そしてあらかた貼られている依頼書を見ても、ミランダの話と似たような依頼はなく、寧ろ雪かきなどのローラン内で困ったことを解決して欲しい依頼が多数あり、どれもこれも新人冒険者向けとなっていたりする。
とりあえず探していた依頼は貼られていなおいということは分かったので、次にコウ達は受付にいる誰かへ似たような依頼が出されていないかどうか確認するため、依頼書などを持たずに受付の列へと並んでいく。
そのまま暫くの間、列に並んで待っていると、そこまで冒険者が並んでいなかったためか、時間を掛けることはなく自身達の番となった。
「あら?コウ君じゃないの。何か依頼を受けるのかしら?」
「いや...今日は聞きたいことがあって来たんだ」
「聞きたいこと?何かしら?」
「ここ最近特定の場所で縄張りにしてる魔物の討伐依頼とか出てないか?」
どうやら受付の担当はミラであったようで、依頼を受けるのかどうか聞かれるも、そうではないと首を横に振りながら否定しつつ、魔物が何処かで縄張りにしていないかどうか聞いていくことにした。
するとミラは少し頭の中でコウの聞いた話と似たような依頼は無いかどうか考える動作をし、何かを思い出したかのように机の引き出しの中を弄りだすと、1枚の依頼書を取り出される。
「コウ君の話だとこれが1番似ている依頼かしら?」
そして目の前に出された依頼書の内容を見てみると、そこにはローランから東の方向にある渓谷に魔物が縄張りにしているので何とかして欲しいというものが書かれており、依頼人としてこの街にある多数の青果店から出されていたが、お世辞にも依頼報酬は高くはない。
まぁ青果店から出されているということは山野草も取り扱っている筈なので、きっとこの依頼をこなせば市場に流通し、コウ達も小鳥の止まり木で冬限定の料理を食べれるようになる筈である。
「先日話を聞いて今日の昼に貼ろうと思ってた依頼書なのよね」
「だから掲示板に貼られてなかったんですね~」
「じゃあこの依頼を受けてもいいか?」
「別にいいと思うけどコウ君達ならもっと良い依頼があると思うわよ?」
「これが良いんだよ。じゃあよろしく」
「あらそう。じゃあ手続きするから少し待っててね」
とりあえず依頼を受けるミラに旨を伝えると、手続きをしてくれるということとなり、その場で暫くの間待っていると、無事に依頼を受けることが出来たということで、コウ達は雪が降る天気模様ではあるが、その魔物が縄張りとしているローランから東の方向にある渓谷へと向かうことにするのであった...。
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