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483話

 そのままニコルを連れて一緒に孤児院内を歩いていると、新たな訪問者ということで、子供達が物珍しそうに遠くから眺めたりしており、手を軽く振ってみると、小さく手を振り返してくれるので、何だか可愛らしいものである。


 そしてロバーツ達が待っている部屋前に到着したコウは扉をコンコンとノックして中に入ると、先程までの重苦しい雰囲気とは一変してまだマシな雰囲気となっていたので、きっとお互いに少しだけでも話し合いをしたのだろう。


 ただ多少なりとも話し合いをしたところで、まだわだかまりはお互いにあるかもしれないと見た感じではあるが思われる。


 とはいえ、このまま上手くいけばお互いに分かり合って関係が修復される日が来るのも近いだろうか。


「戻ったぞ」


「お疲れ様です。そちらの方はいったい?」


「あぁこの人は...「僕はローランで領主をしているニコルと申します」


 部屋の中に入ると、ロバーツがコウの後ろに控えていたニコルの存在に気づき、誰なのかと不思議そうな顔をしながら聞いてきた。


 そのため、コウはとりあえず今回の問題を解決してくれる人物であると、紹介するために口を開くも、遮る様に途中からニコルが喋り始める。


 そしてニコルの自己紹介が終わると、まさかローランの領主自体がこんな孤児院のところにまで出てくるとは誰も思ってもいなかった様で、目を丸くして唖然としていたりするので、中々に面白い光景である。


 まぁその場にいたロバーツ達はコウが連れてきた人物がローランの領主だと未だに信じられなさそうにしているが、とりあえず立たせたままでは失礼だと思ったようで、ホリィが新たな椅子を用意し、老婆がお茶を淹れだした。


「えっーと...何故領主様がこんなところに?」


「コウ君から孤児院の話を聞いてね。これからこの孤児院をどうしていくのかについての話をしに来たんだよ」


 そして話の場が出来ると、まだ本当に領主なのか疑っているホリィが何故この孤児院へ訪れたのかについて聞き出すので、ニコルは出されたお茶を一口だけ啜ると、訪れた理由について説明していく。


 果たして本当にこの人物が孤児院の問題を解決してくれるのか?と思った顔をしているが、コウが連れてきた人物であり、他に頼るような人物もいないため、彼らはニコルを頼るほか選択肢がない筈である。


「じゃあまず1つ目だけど孤児院の集金についてだけど生活が安定するまで免除にしようか」


 まずニコルが話し始めた内容の1つ目が孤児院が出している月1回の集金を免除しようということであった。


 ただ免除と言っても生活が安定するまでであり、それ以降は今までの集金よりも少ないお金は貰うらしいが、それでも今の状態の孤児院にとっては有り難いことのはず。


「そして2つ目が護衛の配置だね。変な輩が近づかないように何とかしないといけないからね」 


 2つ目の話が先程のことが起こらないように孤児院へ護衛の配置をしてくれるようだ。


 しかし2つ目のことについてはコウは少しだけ意見したいものがあったため、途中で口を挟むことにした。


「あーニコルさん。その件だけどそこにいるロバーツに護衛を任せても良いか?」


 その意見したいこととはロバーツをこの孤児院の護衛として扱うということであった。


 何故、ロバーツを?と思うかも知れないが、実力に関してはそれなりにあるというのもあるが、個人的にはホリィとの関係を修復するためというのもある。


 もしこの孤児院の護衛を任せることが出来たのであれば、後は多少なりともホリィと協力してやっていかないといけないため、上手いこといけば関係は修復するかもしれない。


「私をでしょうか?」


「うん?彼をここの護衛に?信用と実力はあるのかい?」


「一応実力はあるしホリィの父親でもあるから信頼は出来るはず」


「ふむ...じゃあそうしようか。何か問題はあるかい?」


「特に問題はありませんが...精一杯頑張らせて頂きます」


 とりあえずロバーツの同意については得ることが出来たということで、そのまま他にもあった孤児院の問題を解決するための話し合いが暫くの間は続いていき、特段なにかしらの問題はなく、トントン拍子で物事は進んでいくのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新予定日は1月20日になりますのでよろしくお願いします。

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