475話
「何食べようかなぁ...色々屋台が並んでると悩むな」
服屋から出たコウは追加で腹を更に空かせながらローランの街中を歩き、多くの屋台が集まる広場へ到着すると、周りを見渡し、どの屋台の料理を買おうか目移りしていた。
できれば手に持ちやすく、食べやすい料理が良いと思っているので、とりあえずその条件で絞りつつ、並んでいる屋台の前を通り過ぎていると、とある屋台の前でコウの足が止まった。
その足を止めた屋台が作っている料理とは、切れ込みを入れたパンにソーセージや野菜などを挟んだホットドッグということで、コウが希望する条件のものとほぼ一致しており、また大きさもそれなりにあるということもあって、お腹を空かせているコウとしては及第点のものだろうか。
「おっちゃん。これっていくらだ?」
「らっしゃい!こいつは銅貨5枚だぞ」
「じゃあ2つ頼んでもいいか?」
「毎度あり!出来立てを用意するからちょっと待ってな!」
そのため、コウは料理の値段はいくらかと料理を作っているおじさんに聞いてみると、銅貨5枚といわれるので、2つ購入することにし、収納の指輪の中から10枚の銅貨を取り出し、知らうことにした。
暫く屋台の近くで待っていると、屋台のおじさんから呼ばれ、出来立てのホットドックがそのまま状態で出されるので、熱くないパンの部分を持ち、コウは受け取っていく。
「坊主!出来たぞ!」
「ん...ありがとな」
そしてコウは買ったばかりのホットドッグを手に持ちながら座って食べれる場所へ向かうと、そこには先に座っていた人がいたのだが、それはコウのよく知るロバーツであり、項垂れ落ち込んでいる姿で座っていた。
「あー...知らないふりをするのもあれだよなぁ...」
他人のフリは出来るのだが、流石に見知った人物が落ち込んでいるのを無視するのは、気が引けるということで、とりあえず話しかけることにし、コウはロバーツに近づいていく。
するとロバーツは近づいてきたのは誰だろうと頭を上げ、コウだと気づいたのか片手を上げて反応してくるも、やはり朝にあったときよりは元気がない。
「あぁ...コウさんでしたか。先程ぶりですね」
「辛気臭い顔をしてるな。まぁこれでも食って元気だせよ」
「あはは...なんだか申し訳ないです」
そしてコウは元気を出すようにと両手に持っていた自身用として買っていたホットドッグを1つだけロバーツに渡しつつ、隣に座ると、大きな口を開いて買ったばかりのホットドッグを頬張る。
「んぐ...それにしてもどうしたんだ?」
「息子が見つかったのですが無視をされてしまいまして...」
食事をしつつであるが、何故そんなにも元気が無いのかについて少し話を聞いてみると、どうやら探していた息子を見つけ出すことが出来たらしいのだが、無視をされてしまい、そのまま逃げるように人混みの中へ消えて行ってしまったらしい。
そこまでされているのであれば、もう関係の修復は無理なのでは?とコウとしては思ってしまうが、それでもロバーツは少しでも歩み寄りたいと思っているようだ。
まぁ血は繋がっていなくとも仮にも10年以上は共に家族として過ごしてきた仲ということもあって、ロバーツは家族としての繋がりを失うのは嫌なのだろう。
「はぁ...しょうがないから仲直りの手伝いぐらいしてやるよ」
ホットドッグを食べ終えたコウは座っていた場所から立ち上がり、お尻についた汚れをはたき落としながら仲直りを手伝う旨を伝えると、ロバーツは目に光を取り戻し、手に持っていたホットドッグを急いで食べるかのようにかぶりついていく。
そして食事を終えると、2人はそのまま仲直りできる方法を考えながら、もう一度だけロバーツの息子と会うために再び街中を歩き出すことにするのであった...。
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