462話
「それにしてもどれもこれも美味しい料理だったな」
「個人的にはスープが1番美味しかったですね〜」
「俺はメインとして出てきた魚料理だったな」
「どうやら満足してもらえたようで僕は嬉しいよ」
この屋敷で出された料理はどれもこれも大変美味しいものであり、ディルから聞いていた通り、そこらのお店で提供される料理よりも圧倒的に上だと感じた。
確かにこんな美味しい料理が毎日食べれるのであれば、そこらにあるお店へ入る必要もないだろうか。
それにしてもライラはスープが1番美味しいと言っていたが、コウとして特に美味しいと感じたのはメインとして出された魚料理である。
その魚料理は表面の皮がパリッと焼かれており、ナイフとフォークで切り分けると、ほろほろと身が崩れやすかったが、身を纏めて口の中へ放り込むと、白身魚だというのにしっかりとした旨味を持ち合わせていたのだ。
コウは以前の世界では海側で育ったため、よく海の魚料理を食べていたりしたが、この世界の海魚も新鮮で、それに旨味が強く、美味しいと感じることが出来た。
まぁ王都は海側に接している場所ということもあり、行ったことはないが漁港があるとのことで、そのまま市場へ新鮮な魚を流すことが出来るため、こういった貴族の屋敷で美味しく食べることが出来るのかもしれない。
「ん〜っと...そろそろフェニを迎えに行くか」
「そうですね〜もう良い時間ですし〜」
「少し残念だけどもう良い時間だね」
食後の休憩も終えたということで、コウ達はそろそろディルが住んでいる屋敷から今部屋を借りている森の安らぎ亭へ帰るために今も遊んでいると思われるフェニを迎えに行くことにした。
そしてそのままコウ達は屋敷から出ると、近くにあるフェニが今も遊んでいるであろう花鳥園へ向かうと、そこではルー以外の鳥の魔物達と無事に仲良くなった様でフェニは囲まれながら羽繕いをされており、目を細めて心地よさそうにしている。
「どうやらディルの従魔達と無事に仲良くなれたようだな」
「キュ!」
そんなゆったりとしているフェニに対して声を掛けると、コウ達の存在に気づいたのか、こちらに首を向けて大きく鳴いて返事を返すと、翼を大きく広げてこちらに向かって飛び、コウの頭の上へと着地した。
また他の従魔達も主人であるディルの存在に気づいたようで、フェニと同じようにこちらに向かって飛んできてはディルの肩や頭の上へ次々と止まっていく。
「そろそろ帰ろうと思ってフェニを呼びに来たんだ」
「キュ~...」
そして頭の上に乗っているフェニへそろそろ森の安らぎ亭へ帰る旨を伝えると、残念そうに鳴き、コウへ何とかならないかと頭をツンツンと小さな嘴で突きだす。
まぁディルへ屋敷に泊まりたいといえば、泊めてもらえそうではあるのだが、既に代金は払ってあるため、流石に森の安らぎ亭で泊まらないのは勿体ないのだ。
「でしたらまた約束して遊びに来るのではどうでしょうか~?」
「僕は連絡さえくれれば何時でも歓迎するよ?」
「フェニ。また遊びに来るからそれでもいいか?」
「キュイ!」
間を取ってライラが再び遊びに来ればいいということを提案すると、ディルも問題ないというので、コウはフェニに確認すると、無事に納得してくれたのか、頭の上からは先程と違って元気そうな返事が返ってきた。
とりあえず約束は約束なので、いずれは守らないといけないが、王都はローランからそこまで遠い場所でもないため、来るのは容易いだろうか。
ということで、コウ達はディルや従魔達と別れを告げると、そのまま今泊まっている宿である森の安らぎ亭へ帰るのであった...。
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