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457話

 コウはディザーから手紙を受け取ると、無くさないよう大事に収納の指輪の中へと仕舞い込み、届け先であるイザベルがいると思われる白薔薇騎士団の屋敷へと向かっていた。


 まぁコウからしてみれば、王都に来るとよくイザベルに会うために白薔薇騎士団の屋敷へ立ち寄ったりするので、今歩いている貴族街は慣れた道である。


 そしてそんな慣れた貴族街の道を歩き、コウは進んでいくと、白薔薇騎士団の屋敷に通じる大きな門が見え、隣には門番が日頃から使っていると思われるた門番小屋が建っており、そこからは男勝りの門番であるミルサが出てくるのも見えた。


「少し前ぶりだねコウ君。今日は何の要件かな?」


「元気そうだな。今日はこの手紙をイザベルに届けに来たんだ」


「なるほど。確かイザベル様はいつもの部屋でゆっくりしていると思うよ」


「ん...わかった。わざわざ教えてくれてありがとな」


「これくらい問題ないよ。コウ君もゆっくりしてくるといいさ」


 門番であるミルサから何の要件だと聞かれたため、ここへ来た目的を素直に答えると、どうやら納得したのかイザベルのいる場所を教えてくれた。


 そのため、コウはお礼を言いつつ、そのまま大きな門を通り過ぎていき、敷地内に入ると、屋敷まで続く広い庭をのんびりと散歩するかのように通り過ぎていく。


 その途中では白薔薇騎士団の団員達とすれ違うことがあるのだが、コウのことをよく知っているため、手を振ってきたり、話しかけて来たりと様々な反応を示してくる。


 そして白薔薇騎士団の屋敷へコウは無事に到着すると、そのまま屋敷内へ入り、イザベルがゆっくりしていると思われる部屋に直行して、扉の前に立つと、手首をスナップさせて数回だけコンコンとノックを行う。


「はい〜どちら様ですか〜?」


 すると普段から聞き覚えのあるような声がすると共に目の前の扉が開いたのだが、その先に立っていたのはコウのよく知る人物であるライラであった。


 そういえば朝からライラとは顔を合わせていなかったが、まさかこんなところにいるとは思ってもいなかった。


「ライラじゃないか。何でこんなところに?」


「コウさんじゃないですか〜。私はお茶をしに来たんですよ〜」


 どうやらライラはイザベルの元へお茶をしに来たようで、机の上には白い湯気がふわりと浮かぶティーカップと色々な種類のシフォンケーキが置かれているのが見える。


「コウさんお久しぶりです。パーティーの時以来でしょうか?もしよろしければ一緒にお茶をどうですか?」


「久しぶりだな。じゃあ少しお邪魔しようかな?」


 イザベルから一緒にお茶をしないか?とお誘いを受けたため、コウは誘いを受けることにし、そのまま部屋の中に通されると、柔らかなソファーへ腰を掛けるように促される。


 そしてイザベルはコウがソファーに腰を掛けたのを確認すると、棚から新しく取り出したティーカップへ温かい出来立てのお茶を淹れて用意してくれた。


「用意してもらって悪いな」


「いえいえ問題ありませんよ。それにしても何故コウさんがここに?」


「あぁ思い出した。これをイザベルに渡しに来たんだ」


 コウはイザベルの質問で思い出したかのように収納の指輪の中から無くさないように預かっていた手紙を取り出すと、そのまま手渡していく。


「これは...私宛の手紙でしょうか」


「そうそう。ディザーさんに頼まれたんだよ」


「そうでしたか。わざわざありがとうございます」


 そしてイザベルはコウから手紙を受け取ると、その場で裏返して封蝋部分を見てから中身を開き、誰からの手紙なのか?また内容は何なのか?について目を通していた。


 ただそこまで重要な内容ではなかったようで、そのまま開封した封筒の中に読み切った手紙をサッと戻し、奥にある普段から仕事で使用している机の引き出しの中へ仕舞い込んでいく。


「それにしてもコウさんが手紙を届けに来るなんて珍しいですね」


「ディザーさんと取引したんだよ」


「取引ですか?」


「フェイマールって貴族の屋敷の場所を知りたくてディザーさんに聞いたら知りたければ手紙をイザベルに届けろって」


「そうなんですね。んー...でもそれでしたら私のお母様に聞けばよかったのではないでしょうか?フェイマール家の方は知り合いでしょうし...」


「あ...確かに...」


 今思えば以前、コウが参加したイザベラのパーティーにフェイマール家が参加していたのを思い出す。


 そのため、わざわざギルドマスターであるディザーに聞かずとも、イザベルの母であるイザベラにでも屋敷の場所を聞けば済んだ話だったのかもしれず、ただ良いように使われただけではないのだろうかとコウは気づいてしまった。


 とはいえ、今更そんな事に気づいたところでコウは既にディザーからのお遣いを済ませてしまったので、なんとも言えない気持ちになるが、イザベルが淹れてくれたお茶を一口飲み、気持ちを落ち着かせるのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は11月29日になりますのでよろしくお願いします。

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