454話
「お前さんら!そろそろ出発すんぞー!」
ディルからの招待状を冒険者ギルドのミラから受け取って数日後。
招待状に書かれていた日程に合わせてコウ達は王都に向かうための馬車を既に確保しており、荷造りなどを終えたということで、馬車に乗り込むと、ローランからゆっくりと王都に向けて走り出していた。
今回の確保した馬車については、よくクルツ村まで案内してくれるおっさんの馬車となっているのだが、何故王都まで馬車が出してくれることになったのかというと、この時期は暇になってくるために、普段よりも多く、王都へも馬車を出しているらしい。
そのため、コウ達が王都へ行きたい旨を伝えると、有り難いことに快く王都まで運んでくれることになった。
「それにしても運が良かったな」
「そうですね~この時期は馬車もあまり出なくなりますし~」
「キュイ!」
何故、この時期になると馬車があまり外へ出なくなるのかというと、やはり季節が関係しているようだ。
冬に近づいているということで、そろそろ雪が振り始めるため、なるべく馬車で外に出たくない御者が多いとのことであった。
まぁ冬ともなれば、凍死したり、事故にあったする確率が上がるかららしい。
ただ冬になる分、盗賊達と出会う確率も下がるので、そこはまぁ一長一短と御者であるおっさんは言っていた。
「それにしてもやっぱりこの馬車は揺れが少ないですね~」
「そうだな。他の馬車よりも性能が良いから有り難いよな」
確かにライラの言う通り、この馬車はそこらにある馬車よりも性能が良く、中々に揺れが少ないため、長時間座っていてもお尻に対してとても優しい馬車なのだ。
それにしてもこの馬車に乗ったのは久しぶりというか、ライラを助けに行く際に乗った時以来だろうか。
まぁあの時は必死だったため、振動などの些細なことは気にしていなかったが、こういうゆったりとした旅の時になれば、気にはなってしまうことである。
「そういえば~コウさんは王都にいるディルさんの場所って知っているんでしたっけ~?」
「いやそれが全く知らないんだよな。だからどうしようかなって」
話は変わり、ライラからディルの屋敷を知っているのかについて聞かれるも、今思えば王都に到着したとて、コウはディルのいる場所を知らないので、どうしようかと頭を悩ませることになっていた。
1番良いのは王都へ到着した際にディルの屋敷を知っている案内人がいるのが良いが、流石に連絡すら取っていないので、それは少し厳しいだろうか。
とするなら冒険者ギルドにいると思われるギルドマスターのディザーにディルの屋敷についてを聞いたほうが早いかもしれない。
「まぁディザーさんにでも聞いてみるさ」
「それが1番いいかもしれませんね~って...わぁ~雪が降ってきました~」
「キュ?」
「本当だな。そこまで降らなきゃいいけど...」
話の途中でライラから雪が降ってきたと言われたため、コウも同じように窓から外を見てみると、本当に空からは真っ白な雪がちらちらと降り始めていた。
フェニにとって雪は初めて見るものということで、空から降ってくる白い結晶は何なのか分からず、頭を傾げており、何なのか理解していないようである。
まぁそのうち外に出る機会があるだろうし、冷たい雪に触れるフェニの反応を見るのが少し楽しみだろうか。
そして御者席が見える窓から御者をしているおっさんは大丈夫かどうか様子を見てみると、雪が降ってきたということで、寒さに耐えるために背中を丸めて縮こませて小さくなっており、そんな環境でも馬車は速度を緩めること無く、王都に向けて走っていくのであった...。
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