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438話

「あー...暇だ...というかまだ何も進展がないのかよ...」


 ジールに相談してからというもの約1週間の日々が経過したが、連絡のようなものは全くもってなく、流石のコウもこの缶詰め状態の生活に飽きが出来始めており、広々としたベッドの上で仰向け状態となって天井を見つめながら文句を垂れていた。


 最初の日々は本を読んだりと時間を潰すものはあったのだが、それでも丸1日も部屋の中で生活し、それが毎日も続けば気が滅入ってしまう。


 とはいえ、これだけ部屋に引き籠もっていればそろそろあの2人組も探すのを諦めているのではないだろうか?


 ちなみにライラといえば、怪しい2人組に姿が割れていないため、自由に外を歩き回ることが出来き、コウはそれを少しだけ羨ましく思っていた。


 そしてルーやフェニもコウと同じで宿の部屋の中に缶詰状態ということで、そろそろ我慢の限界なのか外に出して自由に飛び回させろと頭をこつこつと小さな嘴で突き、アピールをしてくるも、心を鬼にして無視を決め込んでいたりしていると、部屋の扉からコンコンとノック音が聞こえてきた。


「コウさん。お部屋にいらっしゃいますか?」


 出掛けていたライラが戻ってきたのだろうと思ったのだが、実際には違い、この宿で働いているミランダの声が聞こえてくる。


 もしかしたらジールから何かしらの連絡要員が来たのではと思い、コウはベッドから跳ねるように起き上がり、ルーやフェニを外に出さないよう小さく部屋の扉を開けて隙間から覗くと、そこには箒を片手に持ったミランダが立っていた。


「どうしたんだ?」


「冒険者ギルドの方が尋ねにいらっしゃいました」


「そっか。ありがと」


 ミランダに何の用か聞いてみると、コウの予想通り、冒険者ギルドの人物が尋ねに来たということで、やはりというか何かしらの進展があったのだろうか。


 とすればその冒険者ギルドからの尋ね人に何の要件なのかを聞かないといけないので、コウはルーやフェニを何とか説得し、宿の入口に向かっていく。


 そして階段を降りて、宿の入口に視線を向けると、そこに立っていたのは冒険者の格好をした金髪の男であり、何処かで会ったことがあるような気がするが、残念なことに思い出すことは出来なかった。


「えーっと初めまして?あんたがジールさんからの連絡要員なのか?」


「そうそう...ってお互いに顔を合わせたことがあるに酷いっすわ!同じBランク冒険者のロックスだっての!」


「あー...すまん。あんまり覚えてない」


「へっ...別にいいさ...どうせ影が薄いし...」


 コウは以前、ローランでスタンピードが起こった際にロックスというBランク冒険者と握手をしてお互いに顔を合わせたことがあるのだが、今ではすっかりと忘れていた。


 そんなコウの反応にロックスは落ち込んでしまったようで、入り口の隅っこで膝を抱えながらいじけてしまったため、何だか申し訳ない気持ちになり、謝罪をすることにした。


「すまん。覚えてない俺が悪かった」


「...今度からは忘れないで欲しいっすわ」


「あー...まぁ善処するよ。で...ここに来たってことは何か進展があったのか?」


 とりあえず謝罪を行うと、ロックスは多少なりとも立ち直ったようで、膝を抱えていた状態から立ち上がるので、ここから本題であるジールからの連絡は一体何なのかについて話を切り出していく。


「王都から呼んだ貴族を待たせてるから呼んでこいってジールさんから言われたっすわ」


「ん...じゃあすぐにルーと一緒に早くディルの元へ向かわないとな」


 どうやら予想通り、ディルがこのローランにまで従魔であるルーのことを迎えに来たらしく、ロックスはジールに頼まれてコウのことを呼びに来たらしい。


 ということで、コウは迎えに来たディルに保護していたルーを引き渡すため、自室で待っているルーやフェニを引き連れて宿の外に出ると、周りを警戒しつつ、冒険者ギルドへ向かうことにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は10月22日になりますのでよろしくお願いします。

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