410話
焚き火によって起こってしまった山火事を何とか無事になんとかすることが出来たコウは待たせているライラ達の元に戻っていると、途中で山火事を鎮火をするための追加の応援と思われる冒険者達とすれ違ったりしたが、話しかけられるようなことはなかった。
そして先程まで食事をしていた場所に到着すると、そこにはライラとフェニが 並べられた料理を食べずに態々、待ってくれていたようだった。
「コウさんおかえりです〜意外と早かったですね〜」
「キュ!」
「あぁただいま。そこまで燃えてなかったしすぐ終わったからまだ早く帰れた」
「そうなんですね〜とりあえずまだ料理も残ってます食べますか〜」
「待たせて悪かったな」
「いえ~好きで待っていただけですから気にしないでください~」
ライラの言う通り、まだ料理は残っていたりするのだが、食事の途中でコウはこの場を離れてしまったので、多少なりとも料理が冷めてしまっていた。
しかし残念ながら冷めてしまった料理を温める術がないコウとしては少し残念な気持ちになるのと、緊急時ではあったのだが、食事の最中だったというのにフェニとライラを待たせてしまったことに対して申し訳なく感じてしまう。
「そういえば午後からも木は切りますか〜?」
「ん〜...まぁある程度木は切ったし食事が終わったら帰るか。山火事の報告を早めにしておきたいし」
少し冷めた料理を食べていると昼以降、追加として木を切るのかについてライラから確認されるが、冒険者ギルドへ焚き火によって山火事が起こってしまったということを早めに報告をしておいた方が良いだろうと思ったので、午後からは追加で木を切るということはせず、昼食を終えたら少し早いがローランに帰るということにした。
そしてその後、残りの料理をゆっくりと食べ終えたコウ達は手早く片付けを済ませると、北の森を後にしてローランへと戻っていく。
ローランは北の森からそこまで遠くないため、夕方前ぐらいには到着することが出来たが、街の中へ入るための一般入口にはいつものように長蛇の列が出来ていた。
まぁコウ達はBランク冒険者のため、その様な長い列へ並ぶ必要はなく、その長い列の横を通り過ぎていき、特別入口からすんなりとローランの中へと入ることが出来た。
無事にローランへ到着したコウ達は依頼と山火事についての報告をするために寄り道することはなく、そのまま真っすぐ冒険者ギルドへと向かって歩いていく。
そして冒険者ギルドに到着したコウ達は建物の中に入ると、まだ夕方前ということもあってか、そこまで混み合っておらず、サーラの座っている受付場所にはまだ誰も並んでいない。
「あれ?コウさん達早かったですね。木はある程度切れましたか?」
「十分切ってきたぞ」
「でしたらまた冒険者ギルドの裏手にある倉庫へ出しておいて下さい。またこちらで確認してから依頼書を処理しますね」
「わかった。あぁ...あと何処の冒険者か知らんが北の森で焚き火をして山火事を起こしてたぞ」
「はぁ...誰ですかそんなことをする方は...その方についてはまたこちらで対応しておきますので報告ありがとうございました」
無事に冒険者ギルドへ報告も終えたということで、コウは指示された通りに裏手にある倉庫へ向かい、収納の指輪の中へ大量に仕舞い込んでいた伐採した木を次々と取り出していくことにした。
そこにはサーラではなく、案内用の他のギルド職員1名いたのだが、コウが次々と収納の指輪の中から木を取り出すたび、徐々に顔色が真っ青になっていく。
そして次々と収納の指輪から木を取り出していると、裏手にあった倉庫は空だったというのにそこまで広くないためか、すぐにいっぱいいっぱいの状態となってしまった。
「まだ半分ほどあるんだけど他の倉庫は無いのか?」
「あ~...あるにはあるのですが出来れば後日にお願いをできないでしょうか?その...処理が追いつきませんので...」
そして残りの木を取り出すためにギルド職員に他の倉庫は無いかどうか聞いてみると、どうやらこれ以上、木を取り出してほしくない様子であり、出来れば残りの木については後日、出して欲しいとお願いされてしまった。
ギルド職員が言うにはこれ以上、木を取り出されると処理が追いつかないらしい。
「あーじゃあまた処理できたら教えてくれ。その時出させてもらうから」
「申し訳ありません...」
別にコウとしては後日に出すのは特に問題ないため、今日はこのくらいにして冒険者ギルドを後にすることとし、全ての仕事を終えたということで、今泊まっている宿である小鳥の止まり木へのんびりと歩きながらコウ達は帰るのであった...。
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