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384話

「間もなく到着致します!」


「歩くと遠いのに馬車だとすぐに着くな」


「まぁ馬車ですからね」


 そして馬車に揺られながら王都内を走り、そこまで時間を掛けることもなく、午前中に1度だけ訪れたイザベラの屋敷へと通じる正門が見えてきた。


 そんな正門には、午前中に立っていた誠実そうな男性の門番ではなく、また別の門番が槍を片手に持って立っており、怪しいものが入り込まないよう、しっかりと目を光らせている。


「本日はどの様なご要件でしょうか!?」


「晩餐会に参加予定の方をお連れしました」


「では招待状をお願い致します!」


 馬車はゆっくり正門に近づいていき、門番の前に停まると、御者である白薔薇騎士団の団員が最初は対応してくれていたが、招待状を確認をしたいと門番に言われていた。


 ということで各々はイザベラから手渡されていた招待状を取り出すと、馬車の窓を開けて門番に手渡し、確認してもらうことにした。


「問題ございません!お通り下さい!」


 特に問題はなかったということで、馬車は再び動き出し、そのまま広い敷地内を通り、イザベラの屋敷の入口前へと到着する。


 そして屋敷の入口前に馬車はゆっくりと停車したため、コウは先に馬車から降りていき、凝り固まった腰に手を当てていると、唐突に両腕をイザベルとライラに確保されてしまい、半ば強制的に腕を組まれてしまう。


「さっ...コウさん行きますよ」


「今日は私達がパートナーなので~しっかりとエスコートをお願いします~」


「キュ!」


 両手に花...頭の上にはフェニが乗った状態でイザベラの屋敷の中に足を踏み入れると、そこは天井が高く、広いエントランスホールになるのだが、周りを見渡すと身なりが整い、気品があふれる貴族達がちらほらと立っており、貴族達から物珍しそうな視線が飛んでくる。


 そんな貴族達の視線を物ともせずにいると、誰かがこちらに向かって近づいてくるのが分かり、その近づいてくる人物というのはイザベルの母であるイザベラであった。


「あら?こんな所で可愛い愛娘とシスターを侍らせてるのはコウ君じゃないの」


「午前中ぶりだな。別に俺が組みたくて腕を組んでるわけじゃないんだが...」


「そうかしら?まぁいいわ。そのうち案内人が来ると思うから今日は晩餐会を楽しんでってね」


 イザベラは少しだけ茶化すと最後に一言だけ言い残し、その場で(きびす)を返すと、エントランスホールの奥にある階段を登った先にある部屋の中へと消えていく。


 暫くの間、エントランスホールにてイザベル達と話し時間を潰しながらイザベラの言っていた案内人を待っていると、先程までちらほらと立っていた貴族達はいつの間にか案内され、階段の奥の部屋へと消えていた。


「お待たせ致しました。ではお部屋までご案内させて頂きます」


 そしてようやくコウ達を案内する順番が回ってきたようで、メイドは深々と頭を下げると、晩餐会の部屋まで案内してくれることとなり、そのまま後ろへついていくことにした。


 エントランスホールの奥にある階段を登り、イザベラや他の貴族達が案内されて入っていった部屋の扉を開けて中に入ると、そこは綺羅(きら)びやかな飾り付けをされた広めの会場となっており、机の上には様々な料理が並べられ、多くの貴族達が既に会食を楽しんでいた。


「わぁ...美味しそうですね~!」


「キュー!」


「ではごゆっくりお過ごし下さいませ」


 メイドは再び深々と頭を下げると、そのまま扉を閉めて何処へ行ってしまい、コウ達はその場に残されてしまう。


「なぁイザベル...こういう(とき)ってどうすればいいんだ?俺は何も知らないんだが...」


「とりあえずお父様とお母様に挨拶に行くのが一般的ですね」


「なるほど...分かった」


 コウにとってこういった場は全くの素人なので、どうすれば良いのか分からず、イザベルに頼って聞いてみると、どうやらこの屋敷の主人達であるライエルとイザベラに挨拶に行くのが普通とのこと。


 ということでコウ達は綺麗に並べられた料理を楽しむ前に晩餐会に誘ってもらったことのお礼を伝えに行くため、この屋敷の主人達であるライエルとイザベラの元へと向かうことにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は7月6日になりますのでよろしくお願いします。

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