368話
「よし...無事に到着したな」
他の参加者がスリーピングシープと戦っているのを横目にコウは無事に最初のスタート地点であった西門へと到着することができた。
(ふぅん...意外と狩ってきた個体は小さいものばかりなんだな)
そんな西門にはコウよりも先に戻っていた何人もの参加者が自身の狩ったであろうスリーピングシープを見せびらかすように置いていたりする。
ただしどれもこれも自身の狩ったスリーピングシープよりも圧倒的に小さいため、ライバルにはなりえないだろうか。
「む...何だお前か。成果はどうだ?」
「まぁまぁの大きさをした奴なら見つけたかな」
「ほぅ...それは楽しみにさせてもらおうか」
そんな他の参加者達が置いているスリーピングシープを見ながら歩いていると、ばったりとディザーに出会い、今日の成果についてどうか少しだけ尋ねられた。
まぁコウとしては自身の狩ってきたスリーピングシープは自信があるものの、まだ見せる気はないので濁しながら答えると、ディザーは笑みを浮かべ、楽しみにしていると一言だけ残し、その場を去っていく。
そしてとりあえず、何時ライラが戻ってきても分かるよう西門が見えるぐらいの場所に立つと、コウは締め切りの時間が来るまで、ゆっくりと時間を過ごすことにした。
そして太陽が西の大地に徐々に沈み、夕方になるに連れて、西門から続々と狩猟祭の参加者達が自身で狩ったであろうスリーピングシープを引き摺ったり、魔法で浮かせたり各々の方法で運びながら戻ってきていたりする。
「そろそろ時間だけどライラはまだ戻らないのか...」
しかし多くの参加者が戻っては来ているのだが、ライラの姿はそろそろ締め切りの時間前だというのに見当たらない。
もしかしたらライラの身に何か危険なことがあったりしたのでは?と思ったが、何かしら問題があれば高ランクの冒険者が助けに駆けつけるというシステムであったのを思い出す。
まぁ何かしらの問題が起きたところで、あのライラのことなのだから自分で何とかするような気がしないでもない。
最初に狩猟祭の関係者に手渡されたネックレス型の魔道具から映し出される映像を見れば今現在のライラの様子が分かるのでは?と思うかもしれないが、残念なことにこの場では参加者の映像が映し出されていないため、状況は分からない。
そろそろ締め切りの時間ということで、ディザーが西門の中央に立ち、夕陽が大地に沈んでいくのを眺め終わると、振り返ってこちらに視線を移すそうとしたその時、西門からライラの大きな声が聞こえてきた。
「ちょっと待ってください~~~!!!」
そんな声に皆が反応し、西門へ視線を移すと、そこにはズルズルと巨大なスリーピングシープを引き摺りながら走ってくるライラの姿がそこにはあった。
そしてライラの狩ってきたであろうスリーピングシープを見た他の参加者は自身の獲物では優勝は無理だと悟り、残念そうにしている者や目を丸くして驚いている者など様々である。
「すみません〜!道に迷っちゃいまして〜!」
「遅いぞ。まだ締め切りと言ってなかったから許してやるが」
「ありがとうございます〜!」
ライラはディザーに頭を軽く下げてお礼を言うと、コウの立っている場所まで迷いなく、スリーピングシープをずりずりと引き摺りながら歩いてくる。
「ふぅ~危なかったです~迷子になっちゃって大変でした〜」
「やっぱりか...というかよく俺の場所が分かったな」
「これのお陰ですね〜」
ライラは耳元に指をさすと、そこには魔力を込めればお互いの位置が分かるイヤーカフの魔道具が付いているのが見え、それを頼りにここまで戻ってきたのだとコウはすぐに理解した。
「なるほどな。それにしてもライラの狩ってきたスリーピングシープもでかいな」
「今回は優勝を狙ってますからね~負けないですよ~」
そしてライラの狩ってきたスリーピングシープを改めて間近で見てみると、自身の狩ってきた個体と遜色ない大きさなので、勝負は分からなくなってきただろうか。
「ではこれで締め切らさせてもらう。参加者は1人づつ狩ってきたスリーピングシープを前に出しておけ」
締め切りの時間の合図が聞こえてきたということで、コウもディザーの指示通り、収納の指輪の中からライラの個体と負けず劣らずの大きさをしたスリーピングシープを出し、大きさを測る順番が来るまで待つのであった...。
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