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327話

「これは...?」


 お礼として何かしらの魔道具か金品でも貰えるのだろうと想像していたのだが、実際にリリネットから手渡された物は十字架の紋章が彫られたチェーンメダルであった。


 とはいえ、これといって今欲しい魔道具は無いし、金品に関しても現状は困っていないので、そこまで欲しいものではなかったりするが、まさかそのどれでもないよく分からない物を貰えるとは思っていなかった。


「それは聖都シュレアに対して多大な貢献をして頂いた方へお渡ししている物になるのよ」


 と言われても、これが一体何に使う物なのか分からない。


 まぁ今までの経験上、こういったものは大体が何かしらこの聖都シュレア内で優遇を受けたりすることが出来るものだと思っているのだが、一応何に使えるのか聞いてみることにした。


「これは何に使えるんだ?」


「これがあれば大聖堂にある書庫へ入ることができるの」


「書庫?」


「一般開放はされていないので普通の方々には入れない書庫よ。受付に見せれば案内してくれると思うわ」


 ふむ...一般開放されていないということは普段、見れないような本が保管されているということであり、普通では知ることができないような色々な知識を得ることが出来そうである。


 確かローランにあった図書館では、フェニのことについてどんな魔物なのか調べようとしたが、良さげな本が無かったことを思い出す。


 またイザベルにもフェニについて調べてもらうように頼んではいるのだが、未だに分かっていないようなので、この大聖堂にあるという書庫を使わせてもらえるようになったのは、これはこれで良い機会なのかもしれない。


「丁度調べたいこともあったし嬉しいかな」


「まぁ...!それは良かったわ。若い子には本を読んでもらいたいものですから」


 そして最初に入ってきた真っ白の大きな扉が開き、ここまで案内をしてくれたシスターが近づいてくるので、そろそろお開きの時間なのだろう。


「聖女様...そろそろお時間が...」


「あらあらもうそんな時間かしら?」


「えっ?聖女!?」


「キュッ!?」


 シスターがリリネットに向かって聖女と言いながら声を掛けたので、コウとフェニは目を丸くして驚きながら同時のタイミングで声が漏れてしまった。


 リリネットは口を片手で隠し、ニコニコと笑っているがまさか今まで喋っていた人物が聖女だとは思ってもいなかった。


 というか聖女という存在にこうも簡単に会えるものなのだろうか。


「聖女と言っても元なのよ?昔は...ってあらいけない。また話が長くなるとこだったわね。今度時間があるときにでもお話しましょうね」


「あ~うん。また次の機会があったら今度はライラを連れてくるよ」


「その時を楽しみにしていますね」


 口約束ではあるがリリネットとまた会うような約束を交わし、別れの挨拶を澄ませると、そのまま振り返って来た道を戻りながら大聖堂内を歩いて行く。


 そして大聖堂内から外に出ると、迎えに来てくれていた馬車が入口付近で、停車しており、御者としてなのか今度は神父の格好をした別の人物が御者席に座って待ってくれていた。


「コウ様ですね?孤児院までお送り致します」


「ん...助かる」


 どうやらここから孤児院まではそれなりに距離があるため、有難いことに送り返してくれるらしく、コウは感謝しつつ、そのまま馬車へと乗り込んでいく。


 コウは孤児院に戻っている最中、これからの予定はどうするか考えており、数日はライラの怪我が完治するまで聖都シュレアにいるつもりではあるため、この数日の間のどこかしらで大聖堂にあるという書庫へ行くのもいいかもしれない。


 そして数日間の予定をじっくりと考えていると、いつの間にか孤児院の前に到着したらしく、馬車がゆっくりと停車したので、コウは扉を開けて降りていく。


「ここまで送ってくれてありがとな」


「キュッ!」


 馬車から降りたコウとフェニは、ここまで送ってくれた御者に対してお礼を言うと御者はペコリと頭を軽く下げ、そのまま馬車はゆっくりと動き出し、走り去っていってしまった。


「ふぅ...放置していたライラの機嫌でも取るか」


「キュ~...」


 置いてかれることによって不満げな状態だったライラはきっと機嫌がすこるぶ悪いと思われるため、あまり気が進まない。


 そうはいっても結局は会わないといけないので、とりあえずコウは手土産として過去に様々な街で購入していた屋台の軽食を選びながらライラが待っているであろう部屋へと戻っていく。


 そして部屋の前に到着すると、一般的なマナーとしてノックを3回ほどおこないコンコンと扉を鳴らすと、中からそこまで機嫌が悪くなさそうなライラの返事が返ってくるので、中に入るとそこには赤いオーラを身に纏い、そして様々な形に変化をさせているライラの姿がそこにはあった...。

いつもお読みくださってる方々ありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は3月14日になりますのでよろしくお願いします。

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