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29話

 ギルドに着いた頃には既に夕方であり、ギルド内は帰ってきたばかりの冒険者で溢れていた。


 コウは依頼を報告するために長蛇の列に並ぶが昨日みたいに舐めてちょっかいを掛けてくる者は誰もいない。


 どうやら昨日の戦いを見ていた者達が噂を流したおかげでコウが実力のある者だと皆理解したらしい。


 一部ではちょっかいを出そうとしている者がいたのだが、近くにいる他の冒険者が止めているのが視界の端で見える。


「次の方どうぞー」


 暫く待っていると列も進みようやく受付に呼ばれてコウは前に出る。


「あっコウさんですね。お疲れ様です!怪我は...なそうですね」


 サーラが依頼報告の受付をしており、コウの全身を目視で確認して怪我がないかを判断する。


「とりあえず討伐証明の耳を出してもいいか?」


「も〜心配していたんですよ?もう...ではこちらのトレイにお願いします」


 そういうと机の上にトレイを置かれたのでトレイの上に耳を並べていく。


「結構ゴブリンいたんですね。15匹とはなりたての冒険者が狩ってくる量ではないですよ?」


 コウは死の森の近くから帰る途中また群れを成していたゴブリンを6匹ほど運良く見つけていたため本日の討伐数は15匹となっていた。


「15匹なので銀貨3枚ですね」


 別のトレイの上に銀貨3枚を置かれコウはそれを収納の指輪の中へとしまう。


 たった銀貨3枚だがコウにとって初めての依頼の達成であり、自身で稼いだお金でもあるため少し達成感を感じる。


「それにしてもゴブリンは魔法も使う奴もいるんだな。勉強になったよ」


 何気なく今日あったゴブリンが魔法を使ったことをサーラに話すと目が点になっていた。


「えーっと今、ゴブリンが魔法を使ったと言いましたか?」


「ん?言ったぞ火の玉を飛ばしてきたな」


 コウはサーラの言葉に肯定するとサーラの表情が真剣になる。


「少し別室でお話を聞かせてもらっていいでしょうか?」


 サーラは座っている受付を別の者に任せてギルドの裏にある別室へとコウを連れて行く。


「それではそちらに座ってください。では魔法を使うゴブリン以外には何かいましたか?」


「ん〜他か...後衛が弓を使ったり前衛が剣や盾を使ったりしていたかな?それ以外は特に何もないぞ」


 はぁ〜っとため息をつきながらサーラは頭を抱える。


「コウさんいいですか?普通ゴブリンは棍棒しか使わないです。剣や盾、弓や魔法などは普通あり得ないですし連携などもしません」


 コウはじゃあ今日体験し、見てきたものはなんなんだと思い考える。


 今までコウにとって見てきたゴブリンは基本的に群れを成しており、ジャンとサラを助けるときもゴブリンは群れを成し行動していた。


「ただし例外があります。基本的にゴブリンは群れませんが上位種が現れれば話は別です。上位種が現れればゴブリンを統括するでしょう」


 しかし例外は何事にもある。


 今回の場合、普段ゴブリンは連携もせず群れもしないゴブリンが連携したり群れたりしたのは上位種が現れたからだとサーラから説明を受ける。


「じゃああれか?魔法を使ってた奴が上位種だったのか?」


 コウは魔法を使えたゴブリンが上位種だったのか?とサーラに聞くと首を横に振られた。


「いえそれは偶々魔法が使えるゴブリンとして産まれただけでしょう」


「なるほど...じゃあもっと強い奴がいると言う事だな」


「そうですね。もしかしたらゴブリンの上位種としてゴブリンジェネラルが可能性が高いでしょうか」


 魔物にも階級がある。

 

 階級は強さと見た目の変化で分けられており、名前も変わっていく。

 

 階級の種類はジェネラル、ロード、キングの3つありキングが1番強く今回サーラの予想したゴブリンジェネラル討伐にはCランク程の実力者1名がいれば問題なく討伐できるだろう。


「あっ...そういえばゴブリンを見つけた場所はどこでしたか?」


「分かれ道を先に行って丘を超えた場所辺りでゴブリンは見かけたかな」


「コウさん情報ありがとうございました!これで早めに対応出来そうです!」


 椅子から立ち頭を下げた後に急いで部屋を出ていくサーラをコウは止められずその場で立ったまま放置されていく。


「あー...これってもう外出ていいのか?」


「ピィ...」


 1人と1匹は出ていったサーラを少し待っても一向に戻ってくることのなかったため部屋を出てそのまま宿へ食べ歩きをしながら帰ったのであった...。

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