257話
翌日、コウは朝食を終えた後、自由行動ということで昼前ぐらいの時間帯にフェニと屋敷の目の前に広がる海へ繰り出し、柔らかな砂が広がっている砂浜の上をを歩いていた。
そして少し離れた場所には白薔薇騎士団の団員達が水着を身に付けながら遊んでいるのが見え、各々はしっかりこのバカンスを満喫しているようだ。
またイザベルとライラも少しだけ準備したらこちらに来ると言っていたのでとりあえず先にフェニと遊ぶことにした。
「これが海だぞフェニ。海には美味しいものがいっぱいあるんだぞ」
「キュイ!」
馬車や屋敷の窓から見えていた海だが、実際とフェニは物珍しそうに波際まで近づくが、押し寄せる小さな波から離れては寄って...離れては寄ってを繰り返しているが本人はとても楽しそうにしている。
一体何が楽しいのやら分からないが、本人が勝手に楽しく遊んでいるため、そのまま見守るだけで良いのは楽である。
そんなフェニを少しだけ離れた場所で見守りつつもコウは不規則に波が揺れる海の姿を見ていると誰かが細かい砂を踏みしめ、近づいてくる足音が1つだけ聞こえてきた。
「だれでしょ~か~!」
後ろから両手で包み込むように目隠しという名の可愛らしいイタズラをされるが、それをやっている人は今まで生きてきた中で実際に見たこともない。
視界が真っ暗に塞がれているとはいえ聞き慣れた声であり、その声を聞いた瞬間、すぐにその声の持ち主の顔が頭の中に思い浮かぶ。
「ライラだろ」
「は~い!せ~かいです~!」
両手で目隠しをされていたが、答え合わせをするかのように両手が取り払われると目の前の海を背にした水着姿のライラが現れた。
「どうですか~?可愛いですか~?」
ライラが身に付けている水着は黒い生地でフリルの付いたビキニで、豊満な身体のラインを全面に押し出したものとなっており、多感な時期のコウにとっては少し刺激が強く、視線を少しだけ逸してしまう。
「あ~...似合ってるぞ」
「ありがとうございます~!やっぱり褒められるのは良いものですね~!」
若干、照れくさくながらも身に付けている水着を褒めるとライラはいつもよりテンションがあがったのか、目の前で見せつけるかのように様々なポージングをとっていく。
そして遅れたようにもう1つ足音が後ろから聞こえてくるので、振り返るとそこにはライラよりも少し遅れて来た白薔薇騎士団の団長であるイザベルが恥じらいの表情をながらも水着の姿で立っていた。
「その...コウさん。私の水着は似合っていますでしょうか?」
イザベルの水着はライラと違って肌の露出を控えたものとなっており、腰にはパレオを巻いたりしているが、それでも身体のラインは隠しきれていない。
やはり冒険者をしているということもあってか、しっかりと身体は鍛えられているため、全体的に細身であり、特に腹部は薄っすらと割れて鍛え上げられた腹筋が見えている。
「あ~...うん。イザベルも似合ってると思うぞ」
「ええっと...ありがとうございます。聞いておいてあれですけど褒められるのはなんだか恥ずかしいですね」
「さぁコウさんも座ってないで海で泳ぎますよ~!」
お互いに恥ずかしがりながらほんの少しだけ沈黙がその場を包み込むがそんな空気をぶち壊すかのようにライラがコウの手を取り、海に向かって走り出す。
「分かった分かった!引っ張るなって!」
暫く、コウ達はバカンスを満喫するかのように海で泳いだり、得意な水魔法を使って水で出来た滑り台などを作ったり、様々な方法で遊んだりしていると、いつの間にか時間は過ぎており、お腹が空腹を訴えかけてくる。
「イザベル様ーっ!お食事の準備ができましたーっ!」
みんなでぷかぷかと海の上で浮いて日々を過ごしていると丁度よいタイミングで、砂浜の方向から団員の1人が聞こえるように大きな声で呼ばれ、昼食の準備ができたということを伝えに来たみたいである。
コウ達は海から上がって呼びに来た団員についていくと、そこには大きな鉄板が敷かれバーベキューのコンロのように置かれ、火の魔法が得意な団員によって熱せられた鉄板の上には多くの肉や海産物が並べられ、次々と焼かれていた。
また海際で遊んでいたはずのフェニがいつの間にか先に来ており、団員達から貢物のように調理済みの肉や海産物が置かれ、満足そうに啄んで食べていたりする。
どれもこれも見たことのない種類の海産物が色々と並び、どれが美味しいのかわからないが、鉄板で焼かれている海産物は香ばしく美味しそうな匂いを辺り一帯に広がらせているので、食欲がとてもそそられる。
「やぁコウ君。満喫しているようだね」
「ミルサじゃないか」
「ほら焼きたての海産物だよ。満足行くまで食べるといいさ」
鉄板の前で肉や海産物を焼いているのは、いつも白薔薇騎士団の屋敷で門番をしているミルサであり、焼きたての肉や海産物が多く乗った木皿を手渡された。
殆どは串で刺して手で持って食べれるようにされているので、とりあえず魚の串焼きに齧り付くと、脂がしっかりと乗っているためか口の中でジワっと旨味が溢れ出す。
しかも丁度よい塩加減で調理されており、夢中に口へと何度も運び、皿の上に無くなると今度はおかわりをして、久々の海産物を満足いくまで食べることが出来たコウはライラやイザベルと夕方までのんびりと海の側で過ごし、充実した1日を終えるのであった...。
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