250話
「よし...サクッと鉱石を取るぞ」
「坑道内の案内はあっしに任せてくだせぇ」
「道案内を出来る方がいるのは助かりますね」
コウ達はつい先日に来た坑道の入口に到着すると、坑道内に入る前に準備運動を軽くしてある程度身体を解していた。
前回と違って、今回は目利きが良くまた坑道内もしっかりと案内できるダルガレフの弟子を引き連れているので態々、目印などを作らずとも迷わずに坑道内を移動できる筈である。
ただしダルガレフの弟子は鉱石の目利きや坑道内の案内に関しては自身があるらしいが、戦闘面に関しては一切役に立たないと本人が言っていた。
そのため守らないといけないので、いつもよりも警戒して慎重に進んでいく必要があるだろうか。
「じゃあ坑道内に入るけど準備はいいか?」
「あっしは大丈夫でっせ」
「私も大丈夫です」
坑道内に一歩踏み出すと前回と変わらず、天井へぶら下げてあるカンテラに似た魔道具が暗い場所を照らし、入口付近にはまだ危険度が低いためか採掘をしている人が多い。
ただし入口付近や浅い場所では今回、目的としている鉱石が手に入らないということなので坑道内の少しだけ奥まで進んでいく必要があるとのこと。
暫くダルガレフの弟子に案内されて坑道内を歩き続けると徐々に採掘をしている者は少なくなっていき、ちらほらとだが手のつけられていない鉱石が壁から飛び出している。
また奥へ進むたびに天井へぶら下げられたカンテラの数も少なくなっているので、少しづつだが周囲は薄暗くなっていく。
そしコウの足先に何かがコツンと当たって一瞬だけキラリと輝きながら転がるので、なんだろうと思い薄暗い足元をよく見るとそこには握りこぶしサイズの透明でまん丸な鉱石が転がっていた。
「なんだこれ?」
なんだろうと気になり、拾って手に取るとその鉱石へ手のひらから少量の魔力が吸い取られていく。
そしてコウの魔力をある程度まで吸い取ると中心部が鈍く青色に発光し始めた。
「おぉ!それは中々お目にかかれない鉱石でっせ!」
「これ珍しいんだ。ラッキーだな」
「まぁ目的の鉱石ではないんでありやすが高く売れやすよ」
コウが拾い、手に取った鉱石はこの辺りでは見かけず奥深くまで進まないと取れなという希少性の高い鉱石ということらしいが、今回の目的である鉱石ではないようだ。
目的の鉱石ではないのであれば捨てようかと一瞬だけ思ったが、希少石の高い鉱石で高く売れると言われたのでとりあえず収納の指輪へ仕舞い込むことにした。
「この辺りの鉱石は掘らないのでしょうか?」
「目当ての鉱石はここらに見当たらないんで危険ではありやすがもう少し先にある大広間までいきやす」
あまり奥に行き過ぎると魔物に出会う確率が上がるので、あまり進みたくないのだが、ここら辺に目的の鉱石が無いのならばしょうがない。
とはいえここに来るまで魔物に出会っていないし、この先からは気配もないので当分は安心して進んでいいような気がする。
大広間に到着すると明かりの元になるような物は無く、一寸先は暗闇であったため、ダルガレフの弟子が自身の腰につけているポーチからランタンの魔道具を取り出して魔石を嵌め込む。
するとある程度、周囲が見えるくらいには明るくなっていくが、それでも天井付近や奥の空間までは光量が足りないのか照らせないので暗いままであった。
「ここでとりあえずは目的の鉱石を探していく感じでいきやす」
「おぉ~さっきよりも鉱石が多いな」
「どれが必要なのかさっぱり分からないですね」
ランタンの魔道具のお陰で、そこら中の壁からは歩いてきた坑道内から出ていた鉱石よりも多く、様々な種類の鉱石が顔を出しているのが見え、ダルガレフの弟子は一つ一つ何の鉱石なのかを丁寧に確認していく。
そして確認が終わると今度はダルガレフの弟子が指定した鉱石をコウがサンクチュアリをツルハシのように扱って傷をつけないよう慎重に鉱石を次々と掘り出していき、収納の指輪へと回収する。
またイザベルには魔物が来ないか周囲を見張ってもらって安全を確保しているが天井付近や大広間の奥まではランタンの光が届かず、暗く見えない場所もあるため、安心はできないだろう。
「ここが最後でっせ!」
「わかった。ここが最後で良いんだな?」
「えぇ。予想よりも多く集まりやしたからこれで切り上げるとしやす」
確かに結構な量を掘り出しては収納の指輪へ仕舞い込んでおり、今はどれくらいあるのか把握していないが、それでも刀剣を一振り作るだけなら十分な量を集めることは出来ただろう。
また採掘している間にも魔物とは出くわすことが無かったし、これで後はダルガレフの鍛冶屋までさっさと戻るだけである。
「ん...?」
「どうしました?」
「いや...なんだろうなあれは」
そして帰宅の準備をしていると暗い天井付近に何か黄色く光る謎の光球が2つ、グルグルと不規則に動いているのが見えたので、なんだろうと気になり、手を止めてイザベルと共にジッと見つめる。
「あわわわわ!なんだこりゃぁ!」
するとコウの隣に立って気にせず、片付けをしていたダルガレフの弟子が叫びながらその謎に黄色く光る光球に向かって引っ張られるように飛んでいく。
その光景を見たコウ達は一瞬で魔物の仕業だろうと理解し、すぐに各々は武器を構え、戦闘態勢をとるのであった...。
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次回の更新は10月10日になりますのでよろしくお願いします。
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