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221話

 イムピュアグールキングの移動は多足類生物のように生えている無数の人の足をせっせと動かしているが目に見えて遅い。


 ただそんな遅い移動を補うかのように背中に生えている腐った黒い手を次々とイザベル達に向かって伸ばし、動きを封じ込めようとしながら迫ってくる。


「切っても切ってもキリがないですね」


「ひぃ~体液に触れないようにするのは大変です~!」


「キュイイ!」


 イザベルは伸ばしてくる腐った黒い手を舞うように避けながらレイピアでカウンターの如く、何度も何度も切り飛ばしている筈なのに減る気配はない。


 それもそのはず。切った側から切り口の肉がボコボコと膨れ上がって再生し、新しい腐った黒い手が生えてきて再びイザベル達に向かって新しい手を次々と伸ばしているのだから。


 ただライラが光輝く拳を振るって腐った黒い手を潰すと赤い炎に包まれ一部分が灰になっていき、心なしかイザベルが切った切り口よりも再生するスピードが遅い気がする。


 やはりアンデット系の魔物ということで元聖女候補である神聖なライラの攻撃には弱いということかもしれない。


 また再生するにあたって何かしら体力や魔力を消費しているはずであり、再生も無限ではないだろう。


 このままイムピュアグールキングに新たな攻撃手段や奥の手が無ければ少しづつ、後ろに下がりながら有限であるはずの体力か魔力を消耗させていけば何とかなりそうではある。


「ふん!儂の召喚したもんがそう簡単に攻略できると思ってもらっては困るの!」


 アーロウェルは余裕そうな表情をして強気な発言をしているのでまだ何かしらの手があるのだろうと予測できるがどんな手かは分からない。


 するとイムピュアグールキングは一向に捕まらないイザベル達に嫌気が差したのか腐った黒い手を伸ばすのを止めると今度は四つん這いになるよう地面に身体を傾けると口から吐瀉物に似た物を吐き出す。


 吐瀉物の中には先程生きたまま喰らったであろう裏ギルドの者達が混ざっており、それらは骨が見え溶けかかりほぼ人の形を成していない。


「なんでアンデット系はあんなにも汚いんでしょうかね~」


「はぁ...何を見せさせられているんでしょうか...」


 ライラはアンデット系の魔物は見慣れているようで然程、メンタル面に影響はなさそうであるがイザベルからしたらあまり相手にしないタイプの魔物であるため目を手で押さえながらため息をつく。


 吐き出された元裏ギルドの者達であるはずの死骸と呼べる物をよく見ると死んでいるはずなのに何故かもぞもぞと動き出し、徐々に形を球状の卵のように死骸であった肉の塊が変化していく。


 球状の肉の卵状態になると表面の部分に血管のような物が浮き出てきて、脈動するように動き始めたので明らかに何かが産まれるということだけは理解できた。


「数は増やさせませんよ。ウィンドカッター!」


「キュキュイ!」


 とはいえこれ以上、相手をする魔物の数を増やされては溜まったものではないのでイザベルは風魔法であるウィンドカッターを放ち球状になった肉の卵へ風の刃を撃ち込む。


 そして真っ二つに切り裂さかれた切り口からドロリと身体が半分に別れた状態であるグールになりかけの身体が出てくるのでやはりイムピュアグールキングは新しい手駒を作り出そうとしていたらしい。


 フェニもイザベルを手伝うかのように空中を自由自在に飛び回って遠くにある肉の卵へと雷魔法を放ち、一つ一つこんがりと焼き焦がしていく。


 ただそれでもイムピュアグールキングが作り出した肉の卵は相当な数があるので当然、間に合わずに孵化して中からグール達が這い出てくる。


「出てきたグールは私の出番ですね~」


 間に合わず孵化してしまったグールに関してはライラが処理をしてくれるようで這い出できたグールを走りながら潰してゆく。


 新しく手駒として産み出したはずのグール達が次々と潰されている様を見ていたイムピュアグールキングはそれを阻止するために今度は口から黒い煙幕のような物を吐き出して肉の卵の周囲を隠す。


「あわわわわ!今瘴気を出さないでください〜!」


 イザベルとフェニはまだ遠くから魔法を放っているためイムピュアグールキングの出す瘴気と呼ばれる物に近寄らず済んでいるがライラは這い出てくるグールを潰し回っているせいでその瘴気と呼ばれる物に囲われ、逃げ場をなくしていた。


 因みに瘴気とはアンデット系しかも上位種のみが出せる物であり、アンデットの魔物達が触れる分には有益なバフとなるがそれら以外には有害な物となり、触れるだけで皮膚が爛れたり多く吸ってしまった場合、最悪死に至る。


「これは逃げきれないですね〜...ふぅ...しょうがないです〜主よ大いなる穢れから我が身を守り給え」


 逃げ場を失っていたライラは逃げるのを諦め、その場でしゃがみ込んで祈りを捧げると身体全体に薄く光輝く。


 そしでイムピュアグールキングが吐き出した瘴気の中へと飲み込まれて姿が見えなくなっていくのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


評価やブクマなどをしてくださると嬉しいですm(_ _)m


次回の更新は8月12日になりますのでよろしくお願いします。

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