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138話

 目の前の大地を蹴り上げながら迫ってくる2対のオーガを迎え撃つ様にコウ達も武器を持ち前に向かって走り出す。


 コウは腕に魔向草を寄生させているので今まで派手な戦闘をしていなかったのだが、今回の相手は2体のオーガであるため戦闘の最中に取れてしまってもしょうが無いと思い気にせず全力を出すことにした。


 迫りくる2対のうち赤いオーガは右手を地面へすくい上げるように土を刳りこちらへと大量に投げてくる。


 大量に投げられた土は土砂崩れの様にコウ達の視界を遮って飛んできており、2対のオーガの姿は見えない。


「任せて下さい!暴風の壁(ウィンドウォール)!」


 イザベルは飛んでくる土に対して魔法で風の壁のようなものを前へとぶつけると視界は晴れるが青いオーガがもう目の前まで来ており、ラリアットをするかのように鍛え上げられた巨大な青い腕が迫ってくる。


「止めるぞライラ!」


「了解です~!」


 コウはサンクチュアリをライラは自身の拳を迫ってくる巨大な青い腕に向かって突き出し、止めようとする。


 青いオーガの鍛え上げられた腕と衝突すると立っている2人の地面は衝突した衝撃で大きくひび割れ先程までいた位置から少しずれた。


「ひぃ〜キツイです〜!」


「確かに段違いの力だなっ!」


 とはいえ2人掛かりでようやく止めれるということはやはり上位種である青いオーガは段違いの強さなのだろう。


 コウのサンクチュアリも少しだけ刃が腕に通ってはいるが青いオーガからしたら擦り傷みたいなものである。


 しかし青いオーガは腕の動きが止まったのに戸惑い困惑していた。


 それもそうだ自分より何倍も小さい生き物が今まで数多くの相手を倒してきた自慢のラリアットを受け止められたのだから。


 青いオーガの中では衝突した瞬間に2人は吹き飛ばされると思っていたの予想外の出来事である。


 そして受け止めていた腕の力が抜けていくのでコウとライラは見上げると戸惑い困惑している青いオーガの姿に気づく。


 好機――!


 コウ達はすぐに青いオーガへ一撃を入れるチャンスだと思い各々は飛び掛かって攻撃しようとするのだが、横から邪魔をするように大きな岩が複数個横から飛んでくる。


「ちっ!もう1匹の方か!」


 青いオーガへ攻撃をやめ途中で体制を立て直し、赤いオーガが投げてきた複数個の大きな岩に向かってサンクチュアリを振るい打ち落としていく。


「コウさん!避けて下さい!」


 飛んでくる岩に対応していると不意に後ろから焦るようなイザベルの声が聞こえてくるので振り返ると青いオーガの拳がコウに向かって迫っていた。


 前門の虎、後門の狼。


 前からは赤いオーガの投げてくる大きな岩が...そして後ろからは青いオーガの拳がコウを挟み撃ちにするように飛んでくる。


「くっ!」


 万事休すと思った瞬間、青いオーガの拳の軌道がズレてコウへは当たらなかった。


 どうやらライラが迫ってくる拳の腕を殴り軌道をズラしてくれたらしい。


「助かった!とりあえず片方だけでも倒さないと...」


 今回は間一髪ライラに助けられたが何度も上手くいくわけではないだろう。


 イザベルやライラ、フェニも青いオーガに向かって攻撃を仕掛けるがどうしても赤いオーガから妨害がされてしまい苦戦しているようだ。


 片方だけでも倒せたら残りの1匹に集中できるのだが、この2対のオーガはかなり連携が得意らしい。


「なんとか分断さえできれば...」


 コウの氷のドームで1匹1匹分断出来るのだろうが、氷のドームを作る速度は遅いためすぐに避けられ上手く分断できるわけでもないだろう。


「コウさんは赤いオーガの相手をお願いします。私達はもう片方を対処しますので」


「あぁ大丈夫だけど上手いこと分断しないと...」


「そこは私に任せて下さい」


 体制を一旦整えるためにコウはイザベル達と合流し、何か策がないか話をする。


 すると分断できる方法はイザベルがなんとかしてくれるようなので任せることにして今度は赤いオーガの元へとコウは走っていく。


 しかし青いオーガが赤いオーガの元へ行かせまいと横に入りコウの前へと立ち塞がる。

 

「邪魔をさせないですよ~!」


「キュイ!」


 ライラとフェニが青いオーガのを退かせるため横からフェニが雷球を放ち痺れさせ、ライラが拳でデカい顔を殴りつけると青いオーガは横に吹き飛んでいく。


「助かる!」


 ライラとフェニにお礼を言いながらコウはそのまま走り赤いオーガの元へ到着すると突然、周囲の風が乱気流のように吹き荒れ土埃や地面に落ちている葉などが舞い上がる。


 そしてその風はコウと赤いオーガを閉じ込めるように形をドーム状へと成していき、閉じ込められてしまった。


「一体これは...」


 コウは最初に赤いオーガの仕業かと思ったのだが、同じ様に周囲を見渡していたのでどうやら違うらしい。


「コウさん!これで分断できましたので赤いオーガをお願いします!」


 何処からともなくイザベルの声が響き渡るので、これはイザベルの魔法だとコウは理解した。


 赤いオーガは外に出ようと風が吹き荒れている部分に手を突っ込むと切り刻まれ血だらけになり、すぐに手を引っ込める。


 しかしまだ諦めていないのか近くに落ちている大きな岩を投石してみるもあまり効果は無いようだ。


 コウもあの風の吹き荒れている場所に入ったら風の刃で切り刻まれ、ただでは済まないはずである。


 まぁ入る気はさらさら無いのだが...。


 ここから出られないとなると実質赤いオーガとの1対1になる。


 そして外の青いオーガはきっとイザベル、ライラ、フェニの2人と1匹が何とかしてくれているはずなので横槍も入らないだろう。


「さて...悪いけどさっさと倒させてもらうぞ!」


 赤いオーガも仲間と分断され苛立ちを隠せておらず、目の前のコウが魔法の原因だと思ったのか大地を揺らし走ってくる。


 こうして第2ラウンドとして1対1の戦いが始まるのであった...。

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