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106話

 コウは自分の泊まっている宿へ到着し、入口から入るとそこにはイザベルとライラの2人が待ち伏せをしていたかのように受付の近くに立っていた。


「なんで俺の宿を知ってるんだ...」


 教えてもいないはずなのに何故、泊まっている場所がわかったのか疑問に思い、つい口から思っていることが漏れてしまう。


「サーラさんに聞いたら教えていただきました!」


「ずっと待ってたんですよ~?」


 どうやらサーラからコウが泊まっている宿を聞き出したようだ。


 もしかしたらサーラは案外口が軽いのかも知れないと思うと少しだけだがため息が溢れる。


「それにしても何か用があるのか?」


「もう!用が無いと会っちゃいけないんですか?」


 イザベルは頬を膨らませ不満そうにしており、ライラは腕を組んでその通りだと言わんばかりに頷いていた。


 とはいえ流石のコウもそこまで鈍感ではないのでイザベルが何故、不満そうにしているのかは分かっている。


「まぁいいです。私は明日また王都に戻るので挨拶に来たんです」


「なるほど...悪いな。わざわざここまで来てもらって」


「いえ、私が来たくて来ただけなので。さて挨拶が済んだのでエリスが怒る前に帰りますね」


 エリスが怒る顔を想像すると確かになと思い苦笑してしまう。


 そしてイザベルは会釈を軽くするとコウが入ってきた入り口から宿の外へ出ていってしまい、その場にはコウとライラの2人が取り残される。


「ライラはイザベルと帰らなくていいのか?」


 てっきりライラはイザベルと帰るのかと思ったのだがどうやら違うらしく、ライラに軽く聞いてみると首を横に振り、まさかの返答が帰ってきた。


「私はこのままローランで生活しますよ~というか前、別れる際にローランに行くって言ってたじゃないですか~」


「は?」


 まさかの発言でコウは目を丸くする。


 そういえばライラと別れる際、何か言っていたのはそういう事だったのかとようやく理解する。


 ただしライラといえば孤児院があったはずなのだがそこの管理は誰がするのだろうか?


「孤児院なら私の後輩に任せましたよ~」


 コウの考えていたことを汲み取ったのかライラは察して疑問に答えてくれる。


 そういえば聖都シュレアで小さなカフェに入った時にライラの後輩と言ってた人がいたことを思い出す。


「それに〜これをつくりました~!」


 ライラは自慢するように1枚の小さな銀色の板をこれ見よがしに見せつけてきた。


 それはコウも所有しているギルドカードであり、冒険者として活動する上で必須な物だ。


 そして、そのギルドカードの色は銀色でコウと同じCランクということになる。


 本来ならライラは一撃で上位種のリッチを倒すことができる程の実力者なのでAランクもしくはBランクが相応しいのだが、すぐに高ランクでは周りから不満が出るということでCランクということになったのだろう。


「ライラが冒険者って...似合わねぇな」


「似合わないって失礼ですね~。まぁ何かあればコウさんに助けて貰いますか~」


「俺が助けるのか...」


 まぁ...実際にライラに頼られたらきっと手助けしてしまうのだろう。


「では~私にとってここの宿は高いので別の宿を探してきます~」


 どうやらライラはまだ宿が決まっていなかったらしく、宿を探しに外へ出ていこうとするのだが、既に夕方のこの時間帯で空いている宿はあまり無い。


 たとえ空いていたとしても、それは普通の宿よりかは質の悪い宿となるはずでセキュリティーに関してもあまりよろしくない筈だ。


「ライラちょっと待て。ここの宿を泊まってくれ。数日なら払ってやるから」


 コウは外に出ていこうとするライラの肩を掴み、引き止めてここの宿に泊まらせようとする。


 ライラの容姿だけを見たらかなりの良いものだ。


 もしセキュリティーの甘い安宿で泊まらせれば、飢えた男に襲われる危険性も無きにしもあらずである。


 短い間とはいえ、それなりに仲良くなった人物が襲われた場合コウは複雑な気持ちになってしまうだろう。


「えぇ~いいんですか~!では~お言葉に甘えてコウさんの部屋で泊まりますか~」


 コウの提案に目を輝かせ、早速コウの部屋へと「部屋はどこですか~?」などと言いながら突撃しようとするライラ。


 流石にうら若き女性が男の部屋に泊まろうとするのは色々と不味いだろう。


 もしこれがイザベルにバレたとしたら確実に不機嫌になることが想像できるので再びコウはライラの肩を掴み歩みを止める。


「待てライラ。お前の部屋は別にしてもらうぞ」


「え~なんでですか~?一緒のがお得で安くなるじゃないですか~それとも何か見せれないものが...?」


「違うわ!ミランダさん。もう1人分の部屋って用意できるか?」


 コウとライラの言い合いをにこやかな表情で見ていたミランダに部屋が空いているかどうかを確認すると「勿論空いていますよ」と返事が帰ってきた。


 これでもし部屋が空いていなかった場合、他のそこそこな宿に泊まらせるか最悪の場合はコウの部屋に泊まらせることになる可能性があったのだが無事回避に成功する。


 お金の面ならワイバーンの死骸を収納の指輪の中へ仕舞っているためか定期的にそれなりの纏まったお金をギルドから貰えるので、ライラが独り立ちする数日ぐらいまでなら問題ないだろうと思いコウは小鳥の止り木へ泊まらせるのであった。

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