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「で? どうすれば?」

「恐らくこれが発端」

 凪は検索屋が持ってきた紙束の中から一枚を抜き取って僕に差し出した。

 それにはこう書いてあった。

『●日午後、F市四稜ヶ原学園高校で二年生の桐谷茉奈子さん(17)が屋上から飛び降り自殺。茉奈子さんは日頃から進路について不安があると周囲に漏らしており、学業へのストレスが原因ではないかと学校関係者はみている』

 日付を見ると今からちょうど三十年前の話しのようだった。今ならこういう自殺で未成年の個人名を出すことは無いと思うが、きっと当時は普通のことだったのだろう。僕がそれを読み終えたのを確認すると彼女はもう一枚の紙を僕に差し出した。

『昨年、F市四稜ヶ原学園高校で高校二年生の女子生徒(当時17)が自殺した原因を調査していた検証委は●日、生徒はいじめを苦にした自殺だった可能性があるという内容の報告書をまとめ、教育委員会に提出した。報告書によると、生徒は日頃から孤立しており日常的に悩んでいたとされる。検証委は孤立したことで生徒は追い込まれ、限界を超えた末の選択だったのではないかと推測』

 日付は最初の記事から一年ほど経っていた。こちらには個人名は載っていないが、記事の日付から同じ自殺のものだと推測できる。

 他に記事は無いのだろうか?

「見当たらない」と彼女。

「別の日とか他社の新聞とかにはあるんじゃないかな」

 地味な記事ではあるが、二つだけというのは少ないような気がする。しかし凪は他の記事の可能性を否定した。

「検索屋で見つからなければ無いと考えていい」

 そこまで過信して良いものかとも思ったが、そこを疑っても仕方ないので得られた情報で考えることにしよう。

 記事にある名前の「桐谷きりたに茉奈子まなこ」は「マナコ」と合致する。加えて三十年前という時間軸が制服の古さを想起させた。これは後で学園史でも見れば確認できるだろう。それに当時の卒業名簿から同級生がリストアップできる筈だ。

 何だか一気に真相に迫った気がする。

 しかし、もちろん話はそんなに単純では無かった。

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