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「それでこれからどうすればいいんだ?」
「最も安全な方法は彼女の悪感情を治めること」
「えっと、それってつまり……」
「仇を打つ、つまりマナコの怨みを晴らすこと」
天津眼は淡々と言うが僕は固唾を飲んだ。
怨みを晴らす?
誰が?
誰に?
「誰でもいい。記憶が曖昧なマナコにとってそれは評価の対象じゃない。ただ誰かに怨念をぶつけれる機会を与えればいい」
いやいや、そんなに簡単なことじゃないだろう。誰でもいいからといって安易に決められるワケが無い。
「じゃあマナコと戦ってみる?」
「た、戦う?」
「そう。寝首を掻けば勝てるかもしれない」
「ええ!? そんなこと出来るのか?」
「冗談」
「じょ、冗談?」
驚いて天津眼の顔を見た。
しかし相変わらず無表情のままだった。
こいつ冗談なんか言うキャラだったのか?
感情表現に乏しいその顔で冗談なんか言われても全く笑えないぞ。
すると天津眼が意外なことを言った。
「どうせなら、あなたの怨みも一緒に晴らせば?」
「え?」
「あなたの敵を打てばいい」
僕の敵って……彰か?
つまり彰を代理人に仕立て上げて、禍を与えろってことか?
僕はまじまじと天津眼の顔を見た。
表情からは何も汲み取れない。
彼女がどのような意図でそんなことを言うのか分からない。ただの思いつきか、企てなのか、それとも僕への同情なのか。
それともさっきと同じ戯れ言なのか?




