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最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。  作者: ほのぼのる500
マーチュ村と狩り

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番外編 過去の戦争

かつてこの世界には、2つの大国が存在していた。

その内の1つは今のオードグズがあるこの大地に、そしてもう1つは人が入れない未知の大地にあった。


2つの大国は長い間、戦争を続けてきた。

始めは、両国が隣接している村や町での小さな小競り合いだった。

それが何かをきっかけに、両国の騎士を巻き込んだ戦争に発展した。

切っ掛けとなった事が何か。

長い戦争の中で忘れさられ、目的は敵を殺す事に変わっていった。


戦争の長期化が濃厚になりだした頃、最初の戦地だった場所である噂が広がった。

それは、不思議な力を持つ者達がいるというものだった。

力とは、何も無い所から少しだけ水を出す事が出来る力や、小さな火を起こす事が出来る力だった。

その噂に飛びついたのが、その時代の王達。

戦況を有利にするものを探していた王達にとって、不思議な力が魅力的に見えたのだ。


そして、不思議な力を持つ者達は強制的に集められた。

だが集められた者達の力は微々たるもので、戦争には役立つ事はない。

誰もがそう感じたが、王達は彼等の力を強化する事を指示した。

何が行われたのか分からないが、多くの命が失われた。


そして、徐々に強い力を持つ者が現れだした。

大量の水を出して、敵を払い除ける力。

大きな火を出して、敵を焼く力。

強風を起こし、敵の陣地を崩す力。

力を持つ者達は、大切な人を守るため、自らの命を守るため必死だった。


戦場に力を持つ者達が現れた時、この戦争が終わるのではと多くの者が期待した。

だが、どちらの国にも力を持つ者がいた為、戦争は終わるどころか悪化した。

力を持つ者達は、もっと強い力をと王達に国の民に求められた。


その頃、その力の事を「魔法」と呼ぶ者が現れた。

どうしてそう呼ばれだしたのか、分からない。

ただ戦争を終わらせて欲しいと、誰もが魔法を支持した。


王に民に、魔法を使う者達はただ「もっと強い力を出せ」と求められた。

そのせいで、彼等の環境が悪化する事など、誰も気にしなかった。

彼等の力を強くするためなら、何をしてもいい。

どんな酷い事も許される。

少しでも力を持って生まれた子供は、誰であろうと国に取り上げられた。

親が隠そうとすると、周りの者達が親を殺してでも国に差し出した。


魔法を使う者達は、確かに強くなっていった。

だが、どちらの国にも魔法を使う者がいて、どちらの魔法を使う者も強くなる。

戦争が終わる事など、無かった。


そんな中、魔法を文字にして書く事が出来る者が現れた。

その者は、自分のせいで捕まってしまった遠くにいる家族を守るために、防御の力を紙に籠めたのだ。

最初は、小石程度しか防御が出来なかった。

でも、徐々に矢や剣を防ぎ、ついには魔法の攻撃すら防ぐ事が出来るようになった。

だがそれは同時に、戦争に使えると目を付けられる事になってしまった。


魔法を文字に書く事が出来る者は、数名いたが希少だった。

そのため彼等は、他の魔法を使う者達とは違う場所に集められた。

そして、「戦場には立たなくていい、殺すための力を籠めろ」と命令された。


彼等は人質を取られ、多くの魔法を籠めた紙を生み出した。

この時、円の中に文字を配置する1つの形が生み出された。

そして、それを「魔法陣」と誰かが呼び始めた。


魔法陣は、大きく戦争を変えた。

魔法で攻撃するより、威力を数倍にした攻撃。

その結果、被害は広大になり、気付けば人の住める場所が少なくなっていた。

そしてそれは、王のいる王都にまで影響を及ぼした。


その頃から、未来が見える者達が現れた。

ほんの少し先の未来から、数ヵ月先の未来。

その力は、戦場で大きく役立つとすぐに戦場に送られた。


その頃の魔法を使う者達は、ただ命令を聞く人形になっていた。

拒否や拒絶は許されず、失敗すれば自分と仲間が痛めつけられ大切な者が消えていく。

だから、ただ静かに指示に従う。


でも魔法をどんなに強くしても、魔法陣を使っても、先の未来を見ても戦争は終わらなかった。


戦争が続く中、未来を見る者達が同じ未来を見始めた。

この世界の終わりを。


魔法陣を書く者達は、気付いた。

この世界に、未来はないと。


未来を見る者達は、火に焼かれた大地に水が枯渇した湖や川。

そして、人々が倒れ死んでいく未来を見た。


魔法陣を書く者達は、自分達がこの世界に必要な力を利用している事に気付き、このまま使い続ければ人の住む事が出来ない世界になると知った。


未来を見る者達は、必死に訴えた。

この先の未来を。

だが、その訴えは届かない。


魔法陣を書く者達は、書く事を止めた。

どんな目にあっても、大切な者を失っても。

ただ、遅かった。

彼等が紙に書いた文字が、残っていた。


彼等は書くのをやめるだけでは、駄目だと気付いた。

だから、彼等は考えた。

魔法陣が、発動しないようにするために。

魔法陣に使用する文字を、忘れさせるために。


未来を見る者達は訴えるのを止め、静かに仲間を集め始めた。

少しずつ、少しずつ魔法を使う者達にも広がる絆。

そして動物を使い、敵側の未来を見る者と接触が成功する。


そんな中、魔法陣を書く者達は2つの魔法陣を完成させた。

1つは、「世界中から戦争に関わった全ての人を消す魔法陣」。

もう1つは、「この世界の者が、魔法陣を使おうとした瞬間に死が訪れる魔法陣」だった。


ただ、この2つの魔法陣を発動させるために、この世界の力は使えない。

使えば、この世界は終わる。

それでも魔法を使える全ての者達が、この2つの魔法陣に全てを掛けた。

もう後が無かったとも言える。


そして、その日が来た。

魔法陣に個々で力を送るより、一気に力を送った方が成功する確率が上がる為、石が使われた。

石の数は、5個。

ただしこの数は、オードグズの大地で使用した石の数。

未知の大地で使用した石の数は不明。


両国の魔法を使える全ての者が一斉に力を石に送り込むと、魔法陣は見事に発動、成功した。

でも、予定外の事が起こってしまった。


その1つが、オードグズの大地を支配していた王の子が1人、生き残ってしまった事。

もう1つが、魔法陣が少し変わってしまった事。

変わったのは「この世界の者が、魔法陣を使おうとした瞬間に死が訪れる」が「この世界の者が、魔法陣を発動しようとしても無効化される」になってしまったのだ。


そのため、全てを見届けたら死ぬはずだった、最後の魔法を使う者が死ねなくなってしまった。


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― 新着の感想 ―
人が入れない未知の大地には…何が住んでたんだ? 人間は、何者と戦争してたんだ?
戦争は確かに技術を進歩させる。だがそれで良いのか? そして指導者とか呼ばれている連中は破滅が待ってても戦争をやめない。だから真っ当な心の持ち主が自分の命を使う。 どの世界でも同じですね。
何故予定外が起きたよ!? そして魔法があるのは生き残りだからなのね…ビックリ
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