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最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。  作者: ほのぼのる500
マーチュ村と狩り

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725話 ふぁっくすの紙

朝食が終わり少し休憩してから、宿を出る準備をする。

お父さんと1階に下りてくると、なぜかバトアさん達が似た格好で玄関にいた。


「これから皆で加工の仕事なの。加工は昼からだから」


私が不思議そうに3人を見ていると、シャンシャさんが笑顔で教えてくれた。


「忙しいんですね」


朝から宿の仕事をして、これから加工の仕事、そして夕方からはまた宿の仕事。

休憩する時間は取っているみたいだけど、かなり忙しそう。


「この時期はね。でも、この時期を越えたらまったりだから」


まったり?

のんびり過ごせるという事かな?


「そうなんですね」


「ふふっ、たまに凄く忙しいのもいいわよ。でも、たまによ」


シャンシャさんの傍で、彼女の言葉に深く頷くバンガルさん。

2人の様子を見ていると、笑ってしまいそうになる。


「明日から、頑張りますね」


私の言葉に、嬉しそうに笑うシャンシャさん。

彼女を見ていると、なんだろう。

力が抜けるというか……不思議な感覚になるな。


「気を付けてね」


バトアさんが宿の鍵を閉めると、シャンシャさんがお父さんと私に手を振る。


「はい、シャンシャさん達も、気を付けて下さいね」


仕事のやり過ぎに。

私とお父さんは、ふぁっくすの紙を貰うために自警団に行って、あとは村の探索をするだけだから問題なし。

あっ、自警団ではちょっとだけ魔石を売る事になっているけど、それもすぐに終わるはず。


「自警団の場所は分かるか?」


バトアさんの言葉に首を傾げる。

大通りに面しているので、ここから自警団の建物は見えている。


「大丈夫だ」


お父さんが苦笑すると、シャンシャさんが呆れた表情でバトアさんを見た。


「ここから、自警団の建物は見えているわよ」


「あっ、そうだったな」


視線をさ迷わせたバトアさんの頬が、少し赤くなる。

それを見たバンガルさんが噴き出し、バトアさんの頬がより一層赤くなった。


「気を付けてね。村に悪い奴はいないと思うけど、絶対にいないとは言えないから」


シャンシャさんの言葉に頷く。


「分かりました」


「あっ、宿の鍵を渡しておく。帰って来て閉まっていたら使ってくれ。これは予備の鍵だから、再度出かけるときは戸締まりを頼む」


バトアさんが、お父さんに鍵を1つ渡す。


「こんな大切な物を、俺に渡して大丈夫なのか?」


うん、凄く心配。


「大丈夫だ。渡す相手は選んでいるから」


バトアさんの言葉に、お父さんが少し驚いた表情を見せる。

そして、鍵をバトアさんから受け取った。


「ありがとう。無くさないように、大切に扱わないとな」


お父さんが私を見るので、頷く。


「そうしてもらえると、助かるよ。あっ、昼だけど。自警団の近くの角を曲がって4軒目……あれ? 5軒目だったかな。まぁその辺りに『トトット』という店がある。串肉の立ち食いの店なんだが、美味しいぞ」


「トトット」という串肉のお店か。

お父さんも肉を存分に食べられるし、いいかもしれないな。


「そこは私もお薦めよ。野菜串も美味しいの」


野菜も串にささって焼いているのかな?

それは、かなり気になる。


「お父さん、お昼に行ってみよう?」


「そうだな。バトア、教えてくれてありがとう。気になるから行ってみるよ」


「そうか。楽しんできてくれ。じゃ、また後で」


「あぁ」


仕事に行くバトアさん達に手を振って、自警団に向かって歩き出す。

3人ともこれから収穫した物の加工作業をするそうだ。

収穫は早朝、加工は昼かららしい。


「あれ? バンガルさんは、加工を手伝っているんだよね?」


私の言葉にお父さんが頷く。


「そう言っていたけど、どうしたんだ?」


「加工はお昼からなんでしょう? それだと早朝に案内してくれるのは、仕事に行くついでじゃないなって思って」


「あっ、そうだな。わざわざ案内してくれるという事か」


もしかしてお昼から案内するという事だったのかな?

あっでも、「豊作でまだまだ人手が欲しい」と言っていたから、やっぱり早朝の収穫作業だよね?

という事は、やっぱり早朝に案内してくれるんだよね。


「本人からの提案だから、甘えておこうか」


「そうだね。うん」


今から悪いからと拒否する方が、駄目だよね。

明日はしっかりお礼を言おう。


「ここだな」


自警団の前に来ると、建物を見上げる。

古いけど、どことなく重厚な雰囲気を感じる。


「行こうか」


「うん」


建物の前にずっと立っていたら、怪しまれるからね。

自警団の扉を開けると、ギィという音がした。

中に入ると、自警団員が走り回っていた。


「凄く忙しそうだね」


「そうだな」


冬に向けての準備が忙しいのだろうか?


「あれ?」


自警団員の動きを見ていると、少し違和感を覚える。


「何かあったのかもしれないな」


うん。

準備で忙しいというより、不測の事態が起こって焦っている様子に見える。


「そうだね。どうする?」


手の空いている自警団員を探したけど、いない。


「ん~、時間をずらすか」


「あの、どうされましたか?」


お父さんと出直そうと話していると、女性の声が聞こえた。

見ると、自警団員とは少し異なる服を着た女性が、お父さんと私を見ていた。


「魔石を売りたいんです、あとふぁっくすの紙も貰いたいんですが、忙しそうだったのでどうしようかと話していました」


お父さんの説明に、女性が慌ただしく動き回る自警団員を見て頷く。


「えっと、魔石は扱えませんが、ふぁっくすの紙を渡す事は出来ます。こちらに、どうぞ」


「あなたは、自警団員なんですか?」


お父さんの言葉に、女性は自分の制服を見て小さく笑う。


「私は自警団員です。ただ、まだ研修中なのでこの制服なんです」


仕事を覚えている最中なんだ。

あっ、だから魔石はまだ扱えないのかな。


女性の案内でカウンターの隅に移動すると、ふぁっくすを送るマジックアイテムが見えた。


「すみません、えっと紙ですよね? 何枚ほど必要ですか?」


女性が、ふぁっくすの紙を持って来る。


「15枚、貰えますか?」


「はい。15……15枚? えっ、そんなに必要なんですか? その場合ですと、紙代が必要になるんですが、本当に15枚もいりますか?」


まぁ、送信代に収まるようにふぁっくすを書くのが常識だからね。

紙代を払う人は本当に少ないみたいだから、女性が驚くのも分かるかな。


「はい。あちこちにいる友人達にふぁっくすを送りたいので」


「あぁ、友人たちにですか? なるほど、それなら15枚もいる、かな?」


納得したような、でも不思議に思っているのが分かる表情でふぁっくすの紙を数える女性団員。

それにお父さんが小さく笑う。


「そんなに珍しいですか?」


「はい。私がこの自警団で働き出して5年ですが、15枚もふぁっくすの紙を求めた人は初めてです」


5年で初めてか。

それは驚くかな。


「はい、15枚です。確認をお願いします」


「ありがとう。……大丈夫だ」


「えっと、紙代ですが……あちこちだから。何ヵ所にふぁっくすを送る予定ですか?」


えっと、オグト隊長さんの所と、ラットルアさんの所、フォロンダ領主の所だから3ヶ所?

あっ、お父さんの家族にも送るから4ヵ所か。

あとは……無いかな?

ジナルさん達に送りたいけど、どこにいるか分からない。

王都の冒険者ギルドに送ったら届きそうだけど、任務で王都にいない可能性もあるし。


「5ヶ所だな」


お父さんの言葉に首を傾げる。

あと1ヶ所どこだろう?


「オカンコ村だ」


不思議に思い首を傾げるとお父さんが、そっと教えてくれる。

でも、オカンコ村?

このマーチュ村に来る前に、滞在した村だよね。

あっ、アリラスさん達の様子を確認するのかな?

それともアリラスさんに送るのかな?


「5ヶ所という事は、1ヶ所500ダルなので2500ダルになります。えっと1ヶ所2枚は紙が無料だから5枚の紙代が掛かりますが、問題ないですか?」


「ないです」


「では、紙は1枚……あれ? 幾らだろう? ちょっと待っててくださいね。誰かに聞いてきます」


大丈夫かな?

しばらく待っていると、女性の慌てた声が聞こえた。


「大丈夫かな?」


「どうかな?」


私の言葉にお父さんが苦笑する。

あっ、大量の紙が落ちた音がした。


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― 新着の感想 ―
日本なら、2年働けば、ベテラン面できるよ。ベテランになってなくてもwアイビーは人たらしだからなぁ。各地の有力者に人気だもんね。それにしても、ローズさん達には送らなくてよかったの?
5年で研修中?訳あり?
[気になる点] 自警団員の女性が、研修中だと言ったすぐ後にここで5年働いてると話しているのが矛盾してて話がおかしく感じます。
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