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最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。  作者: ほのぼのる500
オカンコ村と記憶の欠片

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番外編 オカンコ村 自警団団長の不安

ーガバリ自警団団長視点ー


書類を確認する。

問題が無ければサインを書き込み、問題が見つかれば問題の部分を赤丸で囲う。

終れば、次の書類に。

次々とサインを書き込んだり、赤丸で囲ったり……疲れたな。


「ふ~、体がギシギシ言っているみたいだ」


時計を見ると、既に仕事を始めてから4時間。

休憩を入れずに作業していたので、疲れを感じるはずだ。


「そろそろ1回、休憩を入れるか」


手に持っていた書類にサインを書き込み、書いた名前に間違いが無いか確認する。


「奴のサインも上手くなったよな」


サインには、俺の名前ではなくギルマスの名前が書かれている。


「問題なし、と」


書類を、確認済みの書類が積みあがっている一番上に置く。

ちらっと執務机にある、別の書類の山を見る。

俺もだけどギルマスも書類仕事は苦手だから、気付くと溜まっているんだよな。


「と言っても、今回の量は酷いだろう。あいつ、そうとう書類を溜めこんでいやがったな」


ギルマスが溜めた書類は、今までで一番多いような気がする。

帰って来たら、絶対に夕飯を奢らせよう。


「そろそろ帰ってくる頃だよな」


執務机から離れて、お茶の準備をする。


「おっ、新しいお菓子だ」


棚にあったお菓子を口に入れる。

部下が用意してくれたお菓子は、今の俺にはちょうどいい。

疲れた時は、やっぱり甘味の強いお菓子だよな。


コンコン。


「んっ? 誰だ?」


「俺だ」


ギルマスの声だが。


「どうぞ」


あぁ、やっぱり違ったか。

入って来たのは、ギルマスではなくギルマスの影。

こいつが来たという事は、奴はまだ当分戻ってこないという事だ。

王都の教会から出て来た占い師の始末をしに行ったが、問題が起きたのか?


「どうした?」


「はい、ギルマスから連絡がありました。占い師と護衛は処理済み。教会幹部1名は確保。暗殺部隊は2名を除き8人は処刑。それと、仲間2名が死亡したようです」


コップにお茶を入れていた手が止まる。

が、すぐにコップにお茶を入れていく。


「何があったのか聞いたか?」


「占い師の傍にいた護衛を捕まえたら、爆発したそうです」


「どうぞ。爆発か」


「はい。ありがとうございます」


ギルマスの影にお茶を出し、自分用に入れたお茶を飲む。

ちょっと苦かったな。


「他には?」


この報告ぐらいなら、ギルマスの直属の部下が知らせるはず。

わざわざ、影が動く必要はない。


「ギルマスは、オカンノ村に今回の事に手を貸した者がいると情報を掴んだため、隣の村に向かいました。あと、占い師の体に魔法陣が描かれていました」


影からの報告にため息を吐く。

魔法陣を使ったある事件で見つかった、司祭の体に描かれた魔法陣。

この情報があったので村の中で迎え撃つのは危険と判断し、森の中で処理をする事にしたが、正解だったな。


「どんな魔法陣だったんだ?」


「場所を知らせる魔法陣だったようです。それと、占い師は病気だったそうです」


「病気?」


「はい。占い師を見た仲間が、1年は持たなかったんじゃないかと言ってました」


1年と言う事は、かなり病気は進んでいただろう。

それなのに、王都で療養せずにこんなところまで?

……休ませてもらえなかったのか。


「酷い事をするな」


よく病気の体で、魔法陣に耐えられたな。


「そうですね」


教会は、死んでいく占い師の替わりがどうしても欲しいという事か。

いや待てよ。

リーリアは昔、教会に捕まっていた事があるんだよな。

と言う事は、教会はリーリアがどんなスキルを持っているのか、知っている可能性がある。

もし、教会の欲しいスキルをリーリアが持っているとしたら。


リーリア以外にも教会から逃げ出した占い師はいる。

この村にも、数名いる。

だが、彼らを探し出そうとしている気配はない。


「教会の奴らは、彼女を諦めないかもしれないな」


狙いは逃げた占い師の誰かではなく、リーリア。


「だとすると、今の状態は少し不安だな」


彼女の護衛は今、4人で当番制だったはずだ。

当番制と言う事は、たえず傍にいるのは2人。

少し不安だな。

だが、多くしすぎると目立つ可能性があるから駄目だ。


「彼らの保護はどうしたんですか?」


護衛の数はそのままに、護衛する者を変えるか。

もう少し、戦闘能力の高い護衛に。


「今は保護だが、準備が整ったら仲間として迎え入れる事になっている」


俺の言葉に、少し考えこむ影。

彼らを仲間にする事は反対なのだろうか?


「反対か?」


「いえ、3人以外に2人。ともに行動している者達がいましたよね? 彼らも仲間になるんですか?」


「いや、彼らは別行動になる」


おそらく、そろそろ彼らはこの村から出ていくだろう。

冬の準備に入る時期だからな。


それにしても、驚いたよな。

生まれつき感じる事が出来なかった気配を、感じるようになるなんて。

女医の話では、「間違いなく気配を感じている」と言っていたから、本当のことなんだろう。

どうして感じるようになったのかは、いろいろなポーションの同時服用らしいが、どうも嘘くさい。

いや、複数のポーションを同時に使うと、不思議な効果が出る事があるのは知っている。

だが、どうにも怪しいんだよな。

そこに何か隠し事があるような気がして。

俺的には、詳しく調べたいが……彼らは、王都のあの人が身元を保証しているからな。

もし余計な事でもしてみろ。

一体、何を言われるか。

違うな、どんな仕事を回されるか分かったもんじゃない。

好奇心を満たすために、命は掛けたくない。


「やっぱりここは穏便にだな」


「団長?」


「ん? いやなんでも無い」


声に出していたな。

失敗した。


「あっ、そういえば。ここに来る前にこれを預かって来ました」


影から、数枚の書類を受け取る。

中身を確認すると、深いため息が出た。


「それは?」


「洞窟内を調べてもらったんだ。洞窟に一番詳しい者に」


「あぁ、団長のお父さんですね」


そういえば、影は知っていたな。


「そうだ。問題の物が、見つかったそうだ」


俺の言葉に影が、眉間に皺を寄せた。

その表情が、ギルマスにそっくり過ぎてちょっと苦笑してしまう。


「なんですか?」


「いや、いつもは思わないんだが、今の表情はギルマスにそっくりだと思ってな」


影が自分の顔を手で触って首を傾げる。


「似てないと言うの、団長ぐらいですよね。従弟だからなのか、そっくりだと言われる事の方が多いのに」


「それが不思議なんだよな」


俺から見て、ギルマスと影は似ているが違う人物に見える。

でも、影を務めるだけあって似てはいるが。


「まぁ、そんな事はどうでもいいんですが。見つかったという事は、空間移動の魔法陣が完成しているという事ですよね?」


「そういう事になるな」


座標を確定する魔法陣が、3つの洞窟で見つかった。

そのうちの1つを、親父は発動させたらしい。

あれほど危険な事はしないようにと言ったのに。

まぁ、そのお陰で空間が移動する事を確認できたんだが。


「空間移動がどこまで出来るのか、それが問題だな」


空間の中に人がいても移動が出来るのか。

もし出来るのであれば、そうとう危険な事になる。


「村の真ん中に、敵を送り込めるようになったという事ですよね」


そういう事なんだよな。

影の言葉に頷くと、彼は大きなため息を吐いた。

王都の仲間が、空間移動について情報を掴めればいいが。

これから、どうなるんだろうな。


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― 新着の感想 ―
空間移動が可能になる魔法陣とな!座標が特定できればこの世界だけじゃなく異世界にも飛ばせたり出来るのかな?その場合行ったっきりかな?
いやーフォロンダ領主組織のトップ説が強くなってきたね… でもだけどそしたら、あの組織なんで今まで潰れてなかったよ?
[一言] なんだかリーリアさんは名前を変えた意味が無いですね。というかリーリアさん準主役になりつつありません?なんだかなあです。早く解決してアイビーちゃんが楽しい旅に戻れるといいですね。
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