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647話 目印発見!

「何かあるかもしれないから、周辺を見てくるよ。もしかしたら、生き残っている者がいるかもしれないしな」


「分かった」


ウルさんが、森の中へ入って行くのを見送る。


「俺達は……捨て場にあるゴミでも確認するか。すぐに対処が必要な物があるかもしれないし」


「うん」


お父さんと捨て場へ向かうと、アルスさんが追いかけて来た。

ガルスさんとエバスさんの姿が無いので、ウルさんの方へ行ったのかな?


横に並んだアルスさんを見ると、顔色が悪い事に気付いた。


「大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ。ただ、あっという間の出来事だったのに、あの鳴き声が耳に残っちゃって」


確かにあのリュウの鳴き声は怖かったな。

思い出しただけで、体がちょっと震えそうになる。


「リュウは飛んで行ったから、もう大丈夫と思い込むしかないですね」


私の言葉に、ちょっと情けない表情をしたアルスさんに首を傾げる。


「情けないなぁ。私の方が年上なのに。……よしっ! もう大丈夫よ」


いえ、顔色が全く戻ってないですよ。

でも、言わないほうがいいよね。


「はい」


3人で捨て場に来ると、最初に見た時よりマジックアイテムが少し減っていた。

ソルがしっかり食べてくれたようだ。


「見た事が無いマジックアイテムがあるな」


お父さんがマジックアイテムを拾って、1つ1つ確認していく。


「マジックアイテムには色々とあるんですね。私は見た事が無い物ばかりです」


アルスさんも足元に転がっていたマジックアイテムを拾う。

彼女が拾ったのは、丸い球体をしている。

私も初めて見るマジックアイテムだ。


「ボタンを見ると、なんとなく押したくなりますよね」


「駄目だぞ」


お父さんが焦ってアルスさんを見る。


「大丈夫ふぇす。あっ……ごほっ。さすがにそんなに愚かじゃないです!」


そうだよね。

何が起こるのかは分からないのだから、押したくても押さないよね。

それにしても、噛んだ瞬間のアルスさんは可愛かった。


「ははっ。そうだよな。悪い」


お父さんが謝ると、アルスさんが首を横に振る。

そして、違うマジックアイテムを拾う。


「これは見た事があります。確か、魔力を一時的に倍にしてくれる物ですよね」


お父さんがアルスさんの手の中の物を見て頷く。

魔力が倍か。

私のように元々の魔力が少ないと、倍ぐらいじゃ何も出来ないだろうな。

10倍? いや100倍はしてくれるマジックアイテムじゃないと。


「あっこれは……意識を乗っ取るマジックアイテムだ。これは使用だけじゃなく、所持だけでも罪になる」


意識を乗っ取る?


「恐しいマジックアイテムだね」


「あぁ、だから所持が禁止されているんだ」


それなのに、ここにある。

しかも使用した形跡があるみたいで、お父さんの表情がかなり険しくなっている。


「他にも、何か出てきそうだね」


アルスさんの言葉に頷く。

視線の先には、積みあがったマジックアイテム。


「まったく。リュウをテイムしたいという夢を見るのは自由だが、違法な物に手を出していい理由にはならないだろうが」


「何か見つけたのか?」


周辺の見回りが終ったのか、ウルさん達が捨て場に来た。


「違法なマジックアイテムを色々と見つけたよ」


意識を乗っ取るマジックアイテムだけじゃなかったんだ。

ウルさんがお父さんの手の中にある物を見て、嫌そうな表情を見せる。

見ただけで、どんなマジックアイテムかが分かったのか。

凄いな。


「オカンコ村に行ったらすぐに冒険者ギルドに直行だな。それ、やばいだろ」


「さすがだな、見ただけで分かったのか?」


「あぁ。色々と見てきたからな」


お父さんの言葉に肩を竦めるウルさん。

本当に嫌そうな表情だ。


「そっちは何か見つけたか?」


「ん~、生きてる者はいなかったという事だけだな」


今の言い方だと、先ほど見た下半身だけの冒険者だけではなく、他の冒険者の遺体もあったという事かな?


「そうか。これ以上、ここに留まる必要はないな。オカンコ村へ行こうか」


「そうしよう」


お父さんの言葉にウルさんが頷くと、お父さんに手を差し出す。

それを不思議に思っていると、お父さんが持っていたマジックアイテムをウルさんに渡した。


「証拠品はこれ1つで十分だな」


あぁ、証拠品か。

言葉だけで説明するより、物があった方が信じてくれるからね。


「シエル、頼むな」


ウルさんの言葉にシエルの尻尾が揺れると、先頭を歩き出す。

その後ろを地図を見ながら、歩くウルさん。


「だいたいの場所は把握できているのか?」


冒険者ギルドに報告するなら、ある程度の場所がわかっていないと駄目だもんね。

お父さんの言葉に、苦笑するウルさん。


「とりあえず、ここだろうとは予想しているが……目印が見つからないんだよな」


ウルさんが困った表情で少し遠くを見る。


「何が目印なんだ?」


「赤い岩」


赤い岩?

何となく、周りを見ながら歩き続ける。


「あった! 良かったぁ」


ウルさんが嬉しそうに声をあげる。

視線の先には、遠いためまだ小さくしか見えないが、確かに赤い岩があった。


「あれが岩? 凄い色」


アルスさんが驚いた声をあげる。

確かに、想像したより鮮やかな色だったので私も驚いてしまった。

近付いて見ると、遠くで見るより綺麗な赤色をしている。

そのせいか、周りからかなり浮いている。


「凄いだろ? どうしてこの色なのかは不明なんだが、自然に出来た色だそうだ。予想したより、捨て場が森の奥だったな。でも、この岩のお陰で場所を特定出来たよ」


ホッとした表情のウルさんに笑みが浮かぶ。

さっきまで不安そうだったから、良かった。


「前にも思ったが、ちょっと怖い色だよな」


お父さんが岩に手を当てる。

触っても問題ないのか。


「この岩がここにあるという事は……あ~、ほら! 村道だ」


ウルさんが指す方を見ると、確かに整備された道が見えた。


「シエル、ありがとう」


「にゃうん」


シエルの道案内は、本当にいつも完璧だな。

頭を撫でると、ゴロゴロと喉の鳴る音が聞こえた。

ふふっ、可愛い。


「ここから後3日だな。少し歩くと広場があるから、今日はそこまで行こう」


ウルさんは、ようやく自分達の居場所がはっきりしたので嬉しそう。

何となくずっと不安そうだったもんね。

それはガルスさん達もだけど。

お父さん曰く「慣れるから大丈夫」らしい。

まぁ、今日は色々あったから、早く休みたい。

さすがにリュウは驚いたからね。


…………


「そろそろ、ソラ達をバッグに入れた方が良いだろう」


「うん、わかった」


村道を見つけてから3日目。

あと少しでオカンコ村に着く。


「ソラ、フレム、シエル、ソル。バッグに戻って」


飛び込んでくるソラ達を受け止めながら、バッグに入れていく。

最後のソルをバッグに入れると、お父さんが持っているカゴを見る。

トロンが眠って20日目。


「大丈夫だよね?」


お父さんの傍に寄って、カゴの中を見る。

小さく体が動いているので、寝ているだけだとは分かるけど不安でしょうがない。


「ここまで起きないのは初めてだな」


「うん」


トロンをチョンと指で突く。

それでも起きない。

木の魔物については、分からない事が多すぎる。

というか、一緒に旅をする木の魔物の話など聞いた事が無い。

そのため、全てが手探り状態。


「早く起きてご飯食べてね」


最後にトロンの頭を撫でる。

起きてくるのを、待つしかないよね。


「そろそろ見えてくるぞ」


ウルさんの言葉に、前を向くと扉が森の木々の間から見えた。


「なんだか、豪華な扉だね」


なぜか、オカンコ村の扉には全体的に装飾がされていた。


「何か意味があるの?」


お父さんを見ると肩を竦めた。


「年々装飾が増えていく不思議な扉だよ」


「そうなんだ」


誰かの趣味なのかな?


646話で子卵と小卵が混ざっていました、申し訳ありません。

正しくは子玉です。

皆様、教えて頂きありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
そりゃ、ボタンがあったら押したくなるよ。 押しちゃダメなんだろうけどさ。
[一言] ボタンは押すためのものです
[気になる点] 645話 ゴミの上に乗っている落ち葉の様子から、少し前から放置されている事が分かったそうだ。 ↑とありました。 冒険者が、リュウの子玉を狙ったのなら、この周辺にリュウが巣をつくり、子…
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