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最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。  作者: ほのぼのる500
ハタル村と逃亡

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489話 ジナルさんたちとの再会

「やっぱり、ジナルさんたちだ」


それに気配が薄すぎて気付かなかったけど、シエルもいる。

なぜシエルとジナルさんたちが一緒にいるんだろう?

戻って来る時にでも、会ったのかな?


「久しぶりだな。元気だったか? あれ、誰だ?」


あはははっ。

どう説明しようかな?


「にゃうん」


「シエル、おかえり。怪我とかしてない?」


「にゃうん」


私の言葉に尻尾をパタパタと動かすシエル。

喉を撫でると、ゴロゴロと喉を鳴らして甘えてくれる。

全身に目を走らせるが、特に問題はなさそうだ。


「どうしてシエルと一緒にいるんですか?」


私の質問に、お姉ちゃんを気にしながらジナルさんが答えてくれる。


「それが、王都に向かっている村道でいきなり目の前にアダンダラが現れて、あれは流石にやばかった」


やばかった?


「いきなり目の前だからな」


フィーシェさんが、笑いながらシエルの頭を撫でる。

何だろう。

何だかフィーシェさんが随分と疲れた表情をしているような気がする。


「ははっ。シエルだとは思わなかったから、殺されると覚悟したな」


ジナルさんが笑って言うけど、笑えない。


「まぁ、あんなに尻尾を振られていたら、すぐにシエルだと気付いたけどな」


ガリットさんの言葉に、ジナルさんとフィーシェさんが楽しそうに頷く。


「ジナルたちは、どこら辺にいたんだ?」


お父さんの言葉に、ジナルさんが少し考える。


「ハタル村がちょっときな臭かったから、寄るのを止めて1日歩いたか?」


「あぁ、そうだな」


きな臭いか、ハタル村はどうなっているんだろう。

ギルマスさんや団長さんは大丈夫かな?


「なるほど。もしかしてシエルはジナルたちを迎えに行っていたのか?」


「にゃうん」


そうなの?

というか、ジナルさんたちがどうしてそこにいると分かったんだろう。

すごすぎるんだけど。


「でっ? そちらの方は?」


フィーシェさんが、にこやかにお父さんに訊く。

ジナルさんもじっとお父さんを見ている。


「彼女はマリャと言って…………ハタル村の教会で監禁されていたそうなんだ。村の少年が彼女を助けたんだが、彼は追っ手を誘導するため村に戻り彼女は森へ逃げたと聞いている。俺たちとは岩穴に隠れている彼女を見つけた時からだ。話を聞いて一緒に旅をする事にしたんだ」


お父さんが少し早口で言い切り。

話を聞いた3人は、唖然としている。


「「「教会?」」」


うわ~、皆の声が揃った。

それに怖い表情だ。

問題ごとには関わらない、教会には近付かないと注意を受けていたもんね。

見事に全部破っているよね……ははっ。


「アイビー、ドルイド」


ジナルさんが、怖い笑顔で手招きする。

行きたくないです。


「早く来る」


お父さんとジナルさんの前に行く。

思いっきりため息を吐かれた。


「目の前で困っているし、ソラたちが見つけたし」


「ソラたちが?」


「あぁ、岩穴の中に隠れていたんだ、マジックアイテムで気配まで消して」


ソラたちが見つけた事を言うと、ジナルさんの表情が少し落ち着く。

ソラが私たちを害するような人を教えてくれる事は話してある。


「つまりソラは、マリャさんは大丈夫と判断しているという事か?」


「そういう事だと思う。俺も最初は戸惑ったが、ソラの判断が外れた事はないからな」


ジナルさんの質問にお父さんが答えると、とりあえず納得してくれた。


「それにしても、行く先々で問題を拾っていくな。そういう星の下に生まれてるのか?」


ジナルさんの言葉にお父さんが苦笑して肩を竦める。

お父さんとも話した事がある疑問だ。

あまりに多すぎるので、異常だと。


「マリャさんといったかな?」


ジナルさんに声を掛けられたマリャさんは緊張した面持ちで頷く。

少し顔色も悪くなっている。


「俺たちはドルイドとアイビーの知り合いで、風というチームを組んでいる。リーダーのジナルだ。よろしくな」


「よろしく、おねがい、します」


ジナルさんにじっと見られたお姉ちゃんは、言葉を詰まらせながら頭を下げる。


「俺も同じチームのガリットだ。よろしく」


「あっ」


「フィーシェだ。よろしく頼む」


「えっと……よろしく、おね、がいします」


ガリットさんとフィーシェさんにも慌てて頭を下げるお姉ちゃん。


「マリャ、そんなに緊張することは無い。彼らは信用できる冒険者だ」


お父さんの言葉に、強張った表情ながら頷く。


「分かった。うん」


「お姉ちゃん大丈夫だよ。ジナルさんたちは優しいから」


「お姉ちゃん?」


私の言った言葉に、フィーシェさんが不思議そうに言葉を繰り返す。


「あっ、えっと……マリャさんが探されている可能性を考えて、お父さんの妹という設定になったんです。ほんとうは叔母さんだけど、お姉ちゃんのほうがしっくりくるので、そっちに」


「確かにお姉ちゃんのほうがあってるな。それより教会から追われる可能性は高いのか?」


ジナルさんが心配そうに私とお父さんを見る。

教会というか、貴族なんだけど……。

これはどこまで話すべきなんだろう?

お父さんを見ると、少し困った表情。

簡単にお姉ちゃんのスキルの事を話せるわけ無いもんね。


「言いにくい事か?」


フィーシェさんが、お父さんの様子を見て訊いてくる。


「悪い。ちょっと待っててくれ。マリャの気持ちを確認したい」


お父さんの言葉に、ジナルさんたちが頷く。


「そうだな、マリャさんの気持ちも大切だ。ドルイド、俺たちは手助けできるならするつもりだ。忘れないでくれ」


ジナルさんの言葉に笑みが浮かぶ。


「ジナルさん、ありがとうございます」


「アイビーたちには大きな借りがあるからな」


それこそ気にしなくてもいいのに。

お父さんとお姉ちゃんが、離れた場所に移動して話している。

お姉ちゃんが、どういう判断をするか分からないけどジナルさんたちを信じて欲しいな。


「そう言えば、ハタカ村に行った調査隊は問題なかったですか?」


私の質問に3人の笑みが深くなる。

ん?

何だろう、なぜか背中がヒヤッとしたけど。


「あぁ、問題なく楽しんだよ」


えっと、楽しんだ?

今、楽しんだって言った?

いったい何をしたんだろう。

笑みが怖くて聞けない。


「それにしても、ドルイドは本当に変わったよな」


ガリットさんが少し離れた場所で話し込んでいるお父さんを見る。

あれ?

ガリットさんたちはお父さんの事を知らなかったよね?

嘘だったの?


「あの、お父さんの事は知らなかったはずですよね?」


「ん?」


ガリットさんの不思議そうな表情。


「あっ、隠し玉の時代のドルイドについてはある程度は調べてあったよ」


えっ、そうなの?


「名前や功績、あと性格や犯罪歴。ギルマスに邪魔をされて本人には会えなかったが、遠くから見た事はあったんだ」


「出会った頃、ジナルさんがお父さんを知らないみたいだったけど……」


あれは何だったんだろう?


「アイビー、隠し玉の時のドルイドと、今のドルイドは全くの別人だからな」


「えっ?」


「俺たちともあろうものが、気付かなかったんだよ。同一人物だって」


うそっ!

ガリットさんを見ると、情けない表情で肩を竦めた。


「隠し玉だとジナルが気付いた時、俺とフィーシェは1回否定したからな。まぁ、名前は一緒だしよく見たら表情は全く違うが似てるし、それで隠し玉だと気付いたんだよ」


「そこまで違うんですか? 昔のお父さんを知っている人がみんなして、変わった、変わったって」


昔のお父さんは荒んでいたから、想像はつくけど。

気付かないほど変わるものかな?


「まったく違うぞ。俺たちが遠目から確認した時は、仕事では無かったのに殺伐とした雰囲気があったからな。そうそう、冷血漢と噂されていたな」


ジナルさんの言葉にガリットさんが頷く。


「冷血漢」


心が冷たい人って事だよね?

全然違うな。


「仲間を切る判断をドルイドが請け負っていたんだろうな。切る判断が早かったみたいだし」


ガリットさんが、苦笑を浮かべる。


「とにかく、雰囲気が違う。怖いというか、誰も近づけさせない感じだった。それが今では娘命だからな」


娘命は恥ずかしいな。

フィーシェさんがお姉ちゃんと話しているお父さんを見る。


「あっ目つきが違うんだ。昔は吊り上がっていた。こんな風に」


ガリットさんが自分の目を吊り上げて見せる。

表情と雰囲気が違ったら、別人に見えるかな?

お父さんと初めて会った時は、そこまで殺伐としていなかった。

もしかしたら少し落ち着いた時に出会ったのかもしれないな。


「分かりました。ありがとうございます」


私の言葉に、3人が私を見る。


「驚いてないね。何となくわかってた?」


フィーシェさんの言葉に頷く。


「荒んでいたんだろうなとは、思っていたので」


「そうか。ドルイドは本当にいい出会いをしたんだな」


ジナルさんの言葉に嬉しくなる。

お父さんもそう感じてくれていれば、嬉しい。


「おっ、話し合いが終ったみたいだぞ」


ジナルさんの言葉に、お父さんたちを見る。


「悪い、待たせたな」


「いや、大丈夫だ」


フィーシェさんが答えると、マリャさんが少し表情を和らげる。


「マリャから許可は貰ったんだが、ジナルたちに頼みがある。マリャと契約を交わしてほしい」


「契約?」


「そうだ」


険しい表情になったジナルさんにお父さんが頷く。


「いいんじゃないか?」


ガリットさんが、ジナルさんの肩をポンと叩く。


「はぁ、分かった」


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― 新着の感想 ―
いきなりアダンダラが出てきたら、死を覚悟するって…
シエル『(迎えに)来ちゃった』 風「「「ア、アダンダラ?アダンダラナンデ!?」」」\(ToT)/オワタ シエル『もう、ほら行くよ!』フリフリ 風「あ、シエルか?(え、巻き込みに来た?)」 かな?
[気になる点] シエルもお父さんもアイビーから離れてしまうのは、いつもの設定と合わないのでは。アイビーに危険がないことの、何か適当な説明が欲しいです。 [一言] とても面白いです
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