2話 今日からサバイバル!
何というか。
生活が一変した、悲しいほうへ。
家に帰ってきた時から、すでに異変を感じた。
両親が私を見ないし、声もかけない。
おかしいなとは思ったけれど。
信じたくはなかったよ。
でも、間違いない。
あからさまに私を避けている。
食事の時間になり、ご飯を食べる部屋に行くと、私の食べるものは準備されていなかった。
目線を合わせようとしない母。
睨み付ける父。
戸惑う兄と姉。
……どこかで「やっぱりな」と聞こえた。
ため息をついて部屋を出る。
前の私が覚悟を決めろと言った意味を理解した。
どうやらこの家から私の居場所は消えたらしい。
星なしとは、こんなにも影響があるのか。
さて、どうしようかな。
お腹が空いた……。
食べ物をどうにかしたい。
まだ5歳の私にはきついな、色々と。
家を出て森へと入る。
視界が滲む、別に覚悟をしていたから悲しくない!
ただ、悔しいだけだもん。
ちょっとだけ、両親を信じたかっただけだもん。
……やっぱり悲しい、さびしい。
涙がはらはらと落ちる。
何で星なし……なんて……。
……
泣いていても仕方がない。
お腹も膨れないし。
まずは何か食べる物を探そう。
1人で森に入ったのは今日が初めてだ。
いつも見ている森より、なんとなく恐いし。
もしかしたら魔物も出るかもしれない。
どうしよう……帰りたい……でも、お腹がすいた。
見つけた食料は少し大き目の木の実。
ちょっと酸っぱいけど、食べられる。
「すっぱい!」
ちょっとじゃない、かなり酸っぱい。
以前食べた時は、もう少し甘かったのに。
木の根もとに座り込む。
明日からどうしよう。
前の私が教えてくれている。
この村から逃げる準備をって。
でも、逃げるってどこに?
魔物と戦えない私が、この村から離れて生きていけるのか?
このままこの村に居たい。
でも、無理だとなんとなく感じた。
両親が変わったように、みんな変わってしまうのかな。
……今日はもう、家に帰って寝よう。
部屋は、まだあるかな?