21話 ヘビは高額
はぁ~……罠を張ってこれで3日目。
ようやく成功した。
本当に頑張った。
しかも、2匹のヘビを捕まえる事が出来た。
野ネズミも2匹……大猟と言えるけど、罠を自分で閉じるのは駄目だ。
寝不足になる。
眠い……ダメだ!
野ネズミの解体と、ヘビを生きたまま売りに行かないと。
解体はすでに慣れた物だ。
今日も綺麗に解体することが出来た。
しかも今日の野ネズミはちょっと大き目、これはうれしい。
次にカゴの中で暴れているヘビたち。
……ちょっと怖いけど、持っていく必要がある。
頑張ろう。
……
村に入って、村人や冒険者たちの様子を窺う。
特に変化も見られないので問題はないだろう。
干し肉を買った店に、まずは肉を売りに行く。
解体した肉は早く買い取りをしてもらうに限る。
「お!あの時の……野ネズミか?」
「はい、大丈夫でしょうか?」
「おぉ、問題ないと言うかありがたい……そっちはヘビか?」
「はい、薬屋に売りに行こうと思って」
「そうか、すごいな坊主」
「……」
「大き目の野ネズミか、美味いんだよな、……260ダルだがいいか?」
「ありがとうございます」
思っていたよりも、高額での買い取りをしてくれた、うれしい。
お金を受け取り、おすすめの薬屋を教えてもらう。
肉屋を出て、亭主に聞いた薬屋を目指して歩くが、暴れるカゴがやっぱり怖い。
急ごう。
それにしても男の子に見られているようで、安心した。
占い師から旅をするなら、男の子に変装をすることを勧められた。
女の子や女の場合は、危ないことが多いらしい。
前の私からも「かもねぎかー」と、……「かもねぎかー」が分からないが、おそらく危ないという事だろう。
ばれない事に越したことはない。
薬屋を目指していると、前に冒険者がヘビを売っていた店だった。
薬屋に入るのは初めてだ、ドキドキする。
「すみません」
「なんだ?」
ちょっと気難しそうな店主が、奥から顔を出す。
「ヘビを売りたいのですが、見ていただけますか?」
「……親や仲間は?」
「いません、私1人です」
「……そうか、見せてみろ」
少し考えるそぶりがあったが、ヘビは見てくれるようだ。
カゴを近くにあった机に乗せて、紐を外し……そのまま店主の前に押し出す。
袋を開けるのは無理です、怖い。
店主がふっと笑って、袋を開けて中を確認してくれた。
「これはまた活きが良いな、サイズも大きいし、色もはっきりと出ている」
どうやら売れるようだ、頑張ったかいがある。
「1匹2ギダルで2匹で4ギダル、その内の1匹がメスだから1ギダル追加だな」
は?
ギダル?
ギダルって確か100ダルの銅板が10枚で1ギダルで、1ギダルになると銀貨1枚、それが5ギダル……。
え!ヘビってそんなに高額になるの。
「あっ、ありがとうございます」
「こちらこそ、メスは珍しくて人気なんだ」
お金を受け取って……ちょっと震えてしまった。
まさか、こんなにお金になるなんて。
ヘビが大量に発生してくれてよかった。
そうでなければ、私では捕まえられなかったと思う。
総合評価が4000ptを超えました。
ありがとうございます。うれしいです。
これからもよろしくお願いいたします。