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12話 地図で確かめる

最後に仕掛けて置いた罠を回収する。

中には野ネズミが2匹。

今日の夕飯は豪勢だ。


村で集めた情報を元に、旅立つのは明日の昼前にした。

どうやら今夜、森の中で大規模な狩りが行われるらしい。

上手くいけば、牙イノシシの数が減ってくれるかもしれない。

牙イノシシは気性が荒く危険なのだ。

森の中で襲われたら、私では危ない。


いつものように素早く解体を終わらせて、その場を離れる。

何かの気配が近づいていたが、解体のゴミが足止めをしてくれるだろう。

少し急ぎ足で、見つけておいた村の捨て場に向かう。


旅立つならば準備が必要だ。

商人や冒険者の姿があったので予想はしていたが、この村の捨て場は広い。

数本のポーションを発見、色を確かめてバッグに入れる。

破れたバッグから、折りたたまれた紙が見える。

手に取って、内容を確認する。

簡単に書かれた地図のようだ。

私が生まれた村も載っている。


これは大収穫だ。

私は生まれた村以外の村の名前をほとんど知らない。

またどれだけ歩けば村にたどり着くのかも、わからない状態だった。

この地図が、どれほど正確なのかは分からないが、役には立つだろう。

他には……数着の服を発見。

大きさを見て、汚れを確認してバッグに入れる。

持って来たマジックバッグの中から、要らない物を捨てる。

荷物が増えるので、これは仕方がないのだ。

捨て場を後にして村のある方向へと歩き出す。

大規模な狩りの日に、森の中にいるのは危険すぎる。

今日は村で1晩を過ごそう。


狩りに参加する人達が、村の中心に集まっている。

かなりの数が参加するようだ。

村の中心から少し離れた所にある、冒険者たちが寝泊まりしている広場を探す。

お金のない冒険者のために、村が広場を解放しているらしい。

その広場には簡易調理場もあるらしいので、私には大変助かる場所だ。

少し広めの空間を見つけた。

テントが張ってあるので、ここで間違いないようだ。

もっと賑わっているかと想像したが、冒険者たちは牙イノシシの狩りに行ったようだ。

稼ぎどころだから当たり前か。


広場に入ると調理場があったので、早速夕飯作りをすることにした。

私は魔力の量が少ないので、調理などで魔法を使いたくない。

この広場の調理場には、火を起こす魔石があったので便利だ。

解体した野ネズミを適度な大きさに切って焼いていく。

焼いた1匹分はバナの葉で包む。

もう1匹分が今日の夕飯だ。

捨て場で拾った地図を確認しながら、ちょっと豪華な夕飯を満喫する。

とりあえず今いる場所の名前を確認しよう。


私の生まれた村はラトミ。

地図で確認すると、ずいぶんと町から離れた所にあった。

村には入らなかったが隣がラトフで、その次の村がラトネ。

おそらくこの村の事だろう。

次の目標の村がラトトだ。

今までより、地図によれば近いようだが……。

誰が捨てた地図なのか分からない以上、信用しすぎないようにしよう。


久しぶりに文字を見て、占い師を思い出した。

簡単な文字は読めても、すべての文字を読むことが出来なかった私。

それを知った占い師は、必ず必要になると文字の読み方、書き方、簡単な計算を教えてくれた。

あの穏やかな顔に、もう一度会いたいな。


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― 新着の感想 ―
[一言] 焼いた1匹分はバナの葉で包む。 →この部分の「包む」がコミカライズ版では「包んむ」になってます。 私は電子書籍で読んでるので出来たらほかの所も修正して更新していただけると助かります。
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