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997話 勝負中?

ソラ達の勝負が決まったので、皆で1階に上がる。


「アイビー、大丈夫だったか?」


「えっ?」


急にセイゼルクさんの声が聞こえ驚く。


「セイゼルク、急に声を掛けたから驚いているだろう」


玄関がある方向から、シファルさんとセイゼルクさんが来る。


「セイゼルクさん、シファルさん、お帰りなさい」


用事は終わったのかな?


「ただいま。それより怪我はしていないか?」


シファルさんが心配そうに私を見る。


「アイビーなら大丈夫だ。傷1つ負っていない。それより、魔物の説明は終わったのか?」


お父さんの言葉に、セイゼルクさんが頷く。


「あぁ、終わった。そうだ、俺達が持ってきた魔物と似た魔物が、既に王都の近くに現れていた」


「そうなの? その魔物はどうしたの?」


あの魔物は、セイゼルクさん達に怪我をさせるほど強かった。

もし魔物の強さを知らずに対応していたら、大怪我をしたのでは?


「多くの怪我人を出したが、討伐は出来たみたいだ」


やっぱり怪我人が出たんだ。


「昼ご飯はもう食べたのか?」


「「あっ」」


シファルさんの質問に、お父さんと顔を見合わせる。


「もしかして、忘れていたのか?」


不思議そうに聞くセイゼルクさんに頷く。


「地下にある訓練室で、弓の特訓をしていたからすっかり忘れてた」


私の言葉にシファルさんが、ちょっと困った表情で私の頭を撫でる。


「毎日欠かさず特訓をするのは偉いけど、食事は忘れないようにな。体作りには、食事が大切だ」


「うん、気を付けるね」


シファルさんに弓の訓練の様子を報告しながら、ソラ達も一緒に食堂に向かう。


「お疲れ様です。すぐにお昼をお持ちしますね」


食堂に入ると、フォリーさんが笑顔で迎えてくれた。

そして奥の調理場から、すぐに温かな料理を持って来てくれる。


「お昼と夜は大皿になります。問題ないでしょうか?」


フォリーさんの質問に、皆で頷く。


「ありがとうございます」


セイゼルクさんのお礼に、嬉しそうに笑うフォリーさん。


「沢山食べて下さいね」


「あっ、白パンだ」


カゴに積まれた白パンに頬が緩む。


そうだ。


「フォリーさん」


「はい。何でしょうか?」


不思議そうに首を傾げるフォリーさんに、深く頭を下げる。


「白パンの作り方を教えて下さい」


フォリーさんが作る、あの凄く柔らかい白パン。

あのパンを、自分でも作りたい。


「ふふっ。もちろんいいですよ」


「やった。あっ、ありがとうございます」


お礼を言ってフォリーさんを見ると、彼女は食堂に入って来たドールさんに笑いかけた。


「ふふっ、私の方が役に立つみたいですね」


えっ?


「勝負はまだ、これからですよ」


もしかして、この二人も何か勝負をしているの?

話しの内容から……どちらが役に立つか?


「何かご用はございませんか?」


ドールさんの質問に、お父さん達が小さく笑う。


「大丈夫です。何かあったらお願いしますので」


セイゼルクさんを見て、ちょっと残念そうな表情を見せるドールさん。


「そうですか」


あっ、フォリーさんがもの凄く楽しそうに笑っている。


「料理が足りなくなったら、言って下さいね。ドール、手伝って下さい」


笑いながら調理場に行くフォリーさん。

その後を、少し悔しそうな表情でドールさんが付いて行く。

そんな二人を見送ると、皆で笑ってしまう。


「面白い2人だな」


シファルさんの言葉に頷く。


ドールさんは何でもそつなくこなしそうなのに、フォリーさんが一緒だと違うみたい。


「アイビー、座って食べよう」


「うん」


セイゼルクさん達も椅子に座る。


「「「「いただきます」」」」


やっぱり、フォリーさんが作る白パンは柔らかいな。

そして、肉と野菜の炒め物の味付けが絶妙。

白パンだけではなく、他の料理も教えてもらえないかな?


「「「「ごちそうさまでした」」」」


「もう2時だけど、これからどうするんだ?」


食事が終わりお茶を飲んでゆっくりしていると、シファルさんが私とお父さんを見る。


「どうしよう」


何かする事があったかな?


「旅で使ったマジックアイテムの整備でもしようか」


あっ、そうだ。

テントや椅子やテーブル。

使ったマジックアイテムは、ちゃんと整備しておかないと。


「あれ? 自分達でやっているのか?」


セイゼルクさんが不思議そうにお父さんを見る。


「そうだけど」


「王都には、整備スキルを持った者が多くいる。任せたらどうだ?」


あっ、マジックアイテムを長く使いたい場合は、専門家にお願いした方がいいんだった。


「そういえば、前に整備をしてもらってからちょっと間が空いているな。頼もうか、アイビー」


「うん。今使っているテントやテーブルは長く使いたいから」


使いやすいし、ずっと一緒だったから愛着がある。


「セイゼルク達は、誰に頼んだんだ?」


お父さんがセイゼルクさんを見ると、彼は小さな紙をお父さんに渡した。


「『マシェ』という整備専門店だ。かなり腕がいいと評判だから、整備が終わるまでにちょっと時間が掛かるけどな」


お父さんが私に、セイゼルクさんから受け取った紙を渡す。

見ると、店の名前と場所。

そして『心を籠めて整備します』と書かれてあった。


「ありがとう。今日は無理だが、明日か明後日には、行ってみるよ」


今日はここを出ない方がいいからね。


「私が持って行きましょうか?」


調理場から来たドールさんを見る。


「あ~」


お父さんが少し戸惑った表情をする。


分かる。

ドールさんから断りづらい空気というのかな、何か圧を感じる。


「お父さん、お願いしようか」


お父さんを見ると、笑って頷いた。


「そうだな。お願いできますか」


「もちろんです」


満足そうに頷くドールさんに、シファルさんが小さく笑う。


「あらドール、自分から取りに行ったら駄目ですよ」


調理場から来たフォリーさんが、ドールさんを睨む。


勝負にはルールがあるみたい。


「取りに行ったわけではありません。困っている様子だったので、提案させていただいただけです」


そうかな?

断りづらい何かを感じたけど。


「本当ですか?」


フォリーさんが、私とお父さんに視線を向ける。


「今日はここを出られないので、手伝ってもらえると助かるのは事実です」


お父さんの返事に、フォリーさんが呆れた表情でドールさんを見る。


「分かりました。ドール、次は駄目ですよ」


フォリーさんの言葉に、ドールさんは笑顔になる。


「アイビー」


「何?」


「整備に出す物を選ぼうか」


「うん」


借りている部屋に戻ると、調理器具などが入っているマジックバッグを持ってお父さんの部屋に向かう。


コンコンコン。


「どうぞ」


お父さんの借りている部屋に入ると、ソラ達が勢いよく部屋に飛び込んで行く。


「皆、この部屋の物も壊さないでね」


「ぷっぷぷ~」


「てっりゅりゅ~」


「ぺふっ」


「にゃうん」


私がお昼を食べている時に眠っていたので、元気いっぱいのようだ。

いつもの調子になっているのが少し不安だけど、信じよう。


「使ったマジックアイテムは全部頼もうか」


「えっ。それだと凄い数になると思うけど」


テントだけでも、場所や条件によって使える物が変わるため3個もある。

他にも、椅子にテーブル。

それに様々な調理器具。

私が料理好きなため、種類が沢山あるんだよね。

あと、簡易ベッドに灯りなど本当に沢山ある。


「まぁ、数は少し多くなるけど、どれも大切な物だし」


それはそうだけど。


「整備費が結構必要になるよ。大丈夫?」


「ソラ達のポーション代で払えるだろう」


あっ、それがあった。


「そうだね」


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― 新着の感想 ―
消して書き直せば良いのでは?
あ、やべ誤字った ×主九人 ○職人 確認画面出るのに何やってんの自分
ちょっと屋敷のものが壊れるぐらいなら 主九人の仕事になって手当がつくから却っていいんではw
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