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No.Ⅸ 白銀の魔法と漆黒の兵器  作者: 菊地ユート
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転生

 俺、黒夜浩輔(くろやこうすけ)は今とても混乱している。

 理由は簡単今のこの状況に関してである。


 数秒前俺は確かに頭に風穴を開けられ確実に死んだはずだ。何をどうしても助かる可能性はゼロのはずだ。


 だが、今俺は見知らぬ場所のベットに寝かされている。


 最初は助かったのかとも思ったが直ぐにその可能性は否定する。さっきも言った通り助かる可能性はゼロだ。


 しかし俺は生きている。理由は全くと言っていいほど分からないが確かに生きているのだ。


 そして、混乱の原因はもう1つある。


 それは、今自分が全く知らない人、複数人に囲まれているこの状況だ。


 長い銀髪の髪をしたとても整った顔立ちに、見たものを魅了するかの様な翡翠色の目をした女。


 短く切り揃えられた金髪に真っ赤の燃えるような目、美青年と言った感じの顔立ちの男。


 金髪の男と同じく輝きを放つ金髪に、翡翠色の目の少女。


 メイド服を着た青い海の様な髪をし、これまた透き通る様な青い目をした女。


 ここまでは良いのだ。いや、良くはないのだが、最大の問題は他の2人にある。


 短めに切り揃えられた真っ赤の髪に黒目の少女。


 真っ黒な髪に真っ黒な目の少年。


 この2人は中学生くらいだろうか。いや、そんなことは関係ない!


 問題はこの2人についている“猫耳”と“尻尾”である。そう、“猫耳”である。


 これが今浩輔が混乱している最大の理由である。


 そんな事は知らんとばかりに、6人は何やら難しい顔で話をしている。


「ーーーーーーーー・〜〜〜」


「ーーーーーー・ーー〜〜」


「〜〜〜・ーーーーー」


 そしてその言語が全く理解できない。


「なんだこの言語は、こんな言語地球にあったか」と浩輔の頭に新たに分からないことが増えた。


 そこで話しかけてみようと口を開く浩輔だったが、その口から漏れるのは、


「あー、あうあー」


 そんな声しか出せなかった。


 浩輔の頭はついの限界を迎えた。もう分からないことが多すぎて考えるのがめんど臭くなって来たので考えるのは後にして、先程から顔を見せていた睡魔に向かって意識を手放した。




 死んだ日から実に2年の月日が流れた。


 俺、いや僕は、どうやら転生した様だ。元の世界では、アニメや小説などで何度か見た事はあったがまさか、自分が転生する事になるとは思っていなかった為知った時は、もう本当に何が何だかわからなくなった。


 この2年間浩輔改め、シリス・アーレンはこの世界と自分の環境について色々とわかったことがあった。


 まず、自分の身の回りの人間についてだ。


 今世での僕は、真っ白な雪の様な髪に透き通る氷の様な銀色の目をした男の様だ。生まれ変わって最初に周りの人達が難しい顔で話をしていたのは、髪の色も目の色も両親と全く違って僕が産まれて来たからの様だ。


 母(銀髪の女性)の名前は、レイラ・アーレン、父(金髪の男)の名前は、レンリ・アーレンという名前だ。


 そして、僕には姉(金髪の少女)がいる様で名前はミーシャ・アーレンという名前らしい。


 他には、メイド(青い髪の女性)はローナ・ミリオンさん、猫耳の2人は、ニーニャ・ノエルとアレク・ノエルは姉弟の様だ。


 そしてこの世界には、やはり獣人種というものが存在していた。他にもエルフやドワーフ、妖精や精霊まで存在している様だ。

 さらに、ファンタジー世界らしく魔法というものが存在している様だ。


 魔法は、火、氷、風、地、雷、光、闇と言った7つの属性魔法の他、無属性魔法と呼ばれる魔法も存在する。


 属性魔法は、基本的に訂正のあるもの以外は使用する事はできず、無属性魔法については少し特殊で、無属性魔法とは属性を持っていない魔法のことを示し、適性を持っているものは数千人に1人の割合だそうだ。


 魔法の適性などは、5歳の時になって教えられるステータスの魔法によってわかる様になる様だ。


 ステータスの魔法では、自分の、体力、筋力、魔力、敏捷、物理耐性、魔法耐性の6つを数値化したものと、Lv、年齢、適性魔法属性、称号の5つが分かる魔法だ。


 6つのステータスの平均は、

 常人:10〜100

 E・D・Cランク冒険者:100〜200

 Bランク冒険者:200〜500

 Aランク冒険者:500〜700

 Sランク冒険者:700〜2000

 SSランク冒険者:2000以上


 となっている。

 冒険者は、E〜SSランクまであってSSランクの冒険者は世界に100人といないらしい。SSランクになるには、平均2000を超えるステータスが必要となる。


 閑話休題


 我がアーレン家は、ファーレン王国の貴族で位は辺境伯の様だ。アーレン辺境伯領は、死の谷と呼ばれる底が見えない谷を跨いで帝国とと1番近い領地だ。帝国との戦争が起きる場合は、このアーレン辺境伯領が最初の戦争場所になる様で、常に軍が駐屯しているらしい。


 これらがこの2年間で知った事だ。魔法がある事を知った時は使って見たかったが適性が分からないので5歳になるまで待つ事にした。


 そして最近は、1つ悩みがある。それは、


「おっはよーシリスくーん!」

「おはよう、ミーシャ姉様、父様も母様もおはようございます」

「ああ、おはようシリス」

「おはようシリス」


 姉のミーシャである。ミーシャは、所構わずシリスを見つけると抱きついてくるのだ。


「ね、姉様、苦しいです」

「ごめんごめん、許して」


 この行動から分かる様に、ミーシャは重度のブラコンである。


「もう許しますから早く朝食を食べましょう」




「ミーシャ、シリス、そこし話がある」

「話ですか?」

「ああ、話というのは、近頃ミーシャの5歳の誕生日を祝ったパーティーを行う事になる。その時に出席することになるにはミーシャと一緒にシリスにも礼儀作法の授業を受けて欲しいのだ」


 と、いう話を朝食を取り終わるとレンリは2人へしてきた。


「礼儀作法ですか。僕は良いですが……」

「シリス君がやるなら私もやる」

「そうかそうか、なら授業は明日の昼からだ。講師はローナにしてもらう」


 こうして、明日から礼儀作法の授業を行うことが決定した。





今回は、転生後の世界の設定やシリスの家族についての話でした。


次回 パーティー

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