2.やっぱり転生だったようです
夢だと言ったな?
あれは嘘だ。
再び目を覚まして始めに視界に入るのは葉っぱの天井。
目の前に手をかざしてみる。
そこにあるのは赤子の手。
まじで俺ってば転生しちゃったのか?
でも何きっかけで?
いつも通り会社行って帰って飯食って寝ただけなのに?
変わったことと言えば…
帰りの途中で寄った八百屋で、食後のデザートにと見たことない果物買って食ったくらいなんだけど…まさか…ね?
いやいや、まさかね。
あれ旨かったし。
メロンサイズの苺って感じでちょっと不気味だったけど、旨かったし。
水色の果肉っていうとっても不気味なところがあったけど、旨かったし!
あんなところに八百屋なんてあったっけ?って疑問に思ったけど、旨かったし!!
食べ終わった後、なんだか頭がクラクラしてそのままベッドに倒れ込んで寝ちゃったけど、旨かったし!!
間違いなくそれが原因だよコンチキショー!!!
原理は分からないが、なんとなく原因が分かったところで、改めて現在自分が置かれている状況を確認する。
と言っても、身じろぐ程度しか体を動かせないので、できることは少ない。
木製のベッドに寝かされている。
服は麻っぽい素材で、着心地は悪くない。
周りを見回してみるが、例の美人ママさんの姿は見当たらない。
分かるのはそれくらいだ。
「あぃゆうぇうぉ~。」
あいうえおと言ってみるが、やはり上手く発音できない。
だが言えなくはないって感じだ。
「まんまぁ~。」
試しに赤ん坊らしく ママ といってみたが、こんな感じだ。
うん?
なんか遠くからダッダッダッダッダーと何かが突進してくる?
バタンッ!!!!
そのまま激しくドアが開かれ、見るとそこには例の美人ママさん。
「坊や!今ママって呼んだ!?」
どんな地獄耳だよ。
何か?その長い耳はデビルイヤーか?ネタが古いか?
俺が驚きで固まっていると、美人ママさんが、
「も、もう一度言ってみて!ママって言ってみて!!」
と興奮しながら強請ってきた。
「まんまぁ?」
「キャーーーー!」
ビクッ!!
いきなり大声をあげられたのでびっくりしたが、美人ママさんはそんな俺にお構いなく、両手を頬に当ててクネクネと悶えていた。
「これが母親の幸せってやつなのね!」
グッとガッツポーズをしてようやく落ち着いたらしい。
「それにしてもこんなに早くママって呼ばれる日が来るとは思わなかったわぁ。流石私とあの人の子ねぇ。」
かと思ったら今度はウットリとしだした。
随分と感情豊かな人らしい。。
「ねぇ坊や、もう一度言って。」
「まんまぁ~。」
「もう一度お願い。」
「まんまぁ~。」
「うふふ、もう一度。」
美人ママさんのおねだりは、お腹がすいてちょっと泣きたくなってくるまで続き、食事で一度中断、その後疲れて眠るまで続いた。
最後に言わせてくれ。
母乳最高!!