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ぼっちは転生してもぼっちでした  作者: 妄想大好きおじさん
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1.変な夢を見ました

知らない天井…だ?

いいえ、あれは葉っぱです。


………

え?まじでここはどこだ?

俺はそんな野性味あふれる所で寝た覚えはないぞ?


落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない。


「あぅあぅ〜。」


あ、あれ?声が上手く出ない。

っていうか、あうーしか言えない!


お、落ち着け!

ま、まだ慌てるような時間じゃない!

まずは現状把握だ!


わたしは誰!?

高橋正志(たかはし まさし)、33歳、独身。

彼女いない歴?聞かないで。

都内の小さなシステム会社に勤める、どこにでもいるようなおっさん。

会社では普通に会話をするけど、プライベートで遊ぶような友達はいなくて、休日は一人で過ごすのが当たり前のぼっち。

カラオケと焼肉は一人で行くところだ!


よし!正常!

ちょっと泣きたくなった!



ここはどこ!?

なんか木で出来た部屋っていうか、巨大な木の中身をくり抜いて、そこに家具を置きましたって感じ。

天井は最初に見た通り葉っぱで覆われてる。

なんでこんな所に居るのかは全く分からない。


よし!保留!

分からないものは分からない!



俺の状態!?

木製のベッドに寝かされている。

目の前で手をワキワキさせてみる。

いい感じに日焼けした小麦色の肌。

日に焼いた覚えはないのにね。

そんなことよりも重要ことがある。

手が小さい。


よし!異常!

よしじゃねぇ!


手が小さいってなんだよ!

これじゃまるで赤ん坊の…



お、おお、おおおおおお落ち着け!!まままだあわあわ慌ててるような時間じゃじゃじゃ!!




「あら、起きたのね?」


不意にとても艶っぽい声が聞こえたのでそちらを見た。


金色に輝き絹のように滑らかな髪。

透き通るような白い肌。

スレンダーだが、出る所は出てる素晴らしいプロポーション。

どこか幼さの残る、人形のように整った顔。

絶世の美女と評して間違いない程の美人さんがこちらに歩み寄ってきた。


「おはよう、愛しい坊や。」


そう言ってその美女は聖母の様な微笑みを向けながら、俺のことを抱き上げた。

俺は女性に免疫がないわけではないが、こんな美女と気軽に接することが出来る程経験豊かでもない。


「あぁ〜う〜。」


焦って思わず声を出すが、相変わらず上手く言葉に出来ず、苛立ちと不安で泣きそうになってくる。

33歳のおっさんがこんなことで泣くな、と思われるかもしれないが、感情がコントロール出来ないんだから仕方ない。


「よしよし。ママがいるから大丈夫よ。」


そんな俺を、美女は微笑みを向けたままあやし始めた。

すると先程感じた不安はたちまち薄れ、不思議な暖かさに包まれた。

とたんに抗うことの出来ない眠気に襲われる。


薄れゆく意識の中、ようやく落ち着いてきた俺の頭脳が導き出した結論。



きっと、これは夢なんだ。



最近異世界転生物のラノベにハマって読みふけってはいたけれど、夢にまで見るとは思わなかった。

こんな美人な母親を作り出すなんて、俺の想像力も大したものだよ。



美人ママさんの長細く尖った耳がとても印象的だった。


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