夢
結構意味がとれません。
いつか見てた夢も愛する人の魂も何処かに消えてしまって、それでも僕は独り生き続けてきた。
僕が生きて生きていることが過ちなら、きっと神は僕を殺したはず。
何故殺さなかったのか。
何故僕だけが生き残ってしまったのか。
その理由はわからないが。
もしかしたら、僕の一族を殺したのは神に使えているはずの人間の勝手な行動なのかもしれない。
元々生き物は神の力によって生かされた。
しかし、神の存在を忘れ、外側だけは神を崇め。内側は神に逆らっているのかもしれない。
ま、僕は何も知らないがな。
そんな、生き物を。
神に一番近いとされた人間を僕は何年独りで眺めたのだろうか。
ただ、寂しさを隠し。人混みに紛れ込み。人々の歩みを眺めてた。
誰かと関わったわけでもない。
僕に故郷はあれど家はない。
誰にも見つけてすらもらえない。
僕は涙を堪えて、独りで眺めていた。
人間の歩みは面白い。だけど、残酷だ。表向きは仲良くしてても、裏では悪口を言う。
それは仕方ないことなのかもしれない。
やがて、街ができ、大きな建物ができて、自然は壊され。
一体、他の生き物は何処で生きろというのか。
僕の故郷までも壊された。
それでも僕はただ眺めていた。
もしかしたら、僕は心までないのかもしれない。
「ねぇ、君なんでいつもここにいるの?」
声を掛けてきた幼い少女。
「僕は生きても死んでもいないから、いや、死んでるのかもな」
少女は首をかしげる。
「え?死んでたら見えないよ?」
少女はしゃがんでいる僕の肩に手をおいて笑う。
「それにほら、死んでたら触れないのに君には触れる」
僕は泣いて少女を抱き締めた。
君は何もわかっていない。
あの頃も今もそう。
君が、あの時僕に触れることができたのは。
「ねぇ、ここの草原綺麗だよね。所々花が咲いてて、私好きだよ。ここ」
君が見ている風景は。
「この木の実美味しいよ。ほら」
君が食べた食べ物は。
「私いつになったら背が伸びるのかな?」
君は
存在すらしていない。