おじさん、少女の過去を知る ①
少女の過去の話に触れていきます。
彼女はどんな過去を背負っているのか。
その光景を見て、おじさんはどう感じるのか。
衝撃の事実だった。
ミラちゃんが、俺を…殺したとはそういう事だろう。どうやってそんな事ができるんだ。
ここは異世界な訳だし、干渉できるわけもない。それをどうやって、こんな少女がやってのけたんだ。
また疑問が増えてきた。
でも、ただ一つ言えるのは。
『あのね…。』
「ん?どうした?」
『私、おじさんを殺す気なんて、本当になかったの…。』
「あぁ、それについては何にも思ってないよ。」
『え…。』
そう、俺は何とも思ってないことだ。
もし、ミラちゃんが俺を殺してたとしても、そんな事なんて些細な事でしかない。
ミラちゃんの将来を奪われた事の方が、俺にとっては重要な事。
だからこそ、今、俺はミラちゃんの前で笑顔でいられるのだ。
「だって、俺にとったらね?疲れてた生活の中に、思っても見ない事が起こって、こうしてミラちゃんに会えた。それが嬉しいんだからさ。」
『私が、殺したとしても…?』
「うん。気にしてない。だから、そんな悲しい顔しないでほしいな。」
『家族に会えなくなっちゃったんだよ…?』
「あー…。それは確かに寂しいし、これから大変なのかなって思うけど、貯金もあるし、アルバイトできる歳でもあるから、きっと大丈夫だ!」
『おじさん…。』
「それに俺はどんな事でも出来る順応性がある!だから大丈夫!」
キッパリと笑顔で言った俺に、ミラちゃんは抱きついてきた。きっとあの言葉を言うのが本当に怖かったんだろう。
俺はそっとミラちゃんを抱きしめる。
「大丈夫だよ。…あ!」
『や、やっぱり怒ってますか!?』
「あぁ、違う違う!冷たいなって思ったら、ミラちゃんの胸から血が…!」
俺がここに来る前に見た胸の傷と同じ所から、夥しい血が出てきている。
なんだ、何でこんなにも急に血が出てきてしまってるんだ。
どうしたらいい。どうしたら止まるんだ。
「くそ、抑えても止まらない!どうしたらいいんだ、何か、何か近くにないのか…!このままじゃ出血死してしまう!」
『大丈夫だよ、おじさん。これは私に起こった過去のことが再現されているだけだから。』
「こんな状況が、過去の…再現だって…?」
『うん。見てもらった方が早いかも。両手を、貸してほしいの。』
見てもらうって、どう言うことだろうか。何をどうやって見せてくれるというのか。
でも今は、俺がやる事は一つしかない。
それはミラちゃんを信じること。
「分かった。君の手を握ればいいのかな?」
『うん。』
「じゃあ、握らせてもらうね。」
小さく頷いたミラちゃんの手をそっと握ると、急に目の前の景色が変わった。
いかがでしょうか?
今回は少女の過去の話に触れてきます。
次も過去について触れて行きたいと思います。
どんな過去を背負ってしまっているのか。
次も楽しみにお待ちください!
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