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【豆知識】

アトリムグラス・・・中性性別。人生に一度だけ、性別転換ができる特別体質。架空の存在。


 無事ぶじ撮影さつえいが終わって、そのあとからちょくちょくPCパソコンで連絡をとっている。


 僕はアトリムグラスとしてぐんに見張られている。


 それをいいことに、ローザとの通信がかなっている。


 アトリムグラスもなかなか悪いもんじゃないな。



 通信しているのは『ローザ君』であったり、『ローザちゃん』だったりする。


 どちらも本人で、僕を「愛している」と言う。



「男性と女性、どちらがタイプ??僕は心、男」


「じゃあ、男」


「本当なのっ!?」


「うん」


「君は―・・・性別転換せいべつてんかん、考えてる?」


「うん、今まさに」


「それで、どうなりたいの?」


「アトリムグラスは、男性、女性、両性りょうせいえらべる」


「なるほど・・・」


参考さんこうまでに聞くけど、僕のどこが好き?」


「全部」


「僕の何も知らないくせに」


「僕、君の全部が好き。存在が」



 数秒、唖然あぜんとしていたけれど、僕は涙を流してしまった。



「僕、怖いんだ。不安なんだよ」


「どんなこと?」


「これがどっきり、ってやつだったらどうしよう、って・・・」


「どっきり、って何?」


「説明がムズカイシっ」


「分かった、分かった、あとで調べておくから。僕、君が女性なら子供欲しい」


「・・・え?」


「本当」


「前に、子供はのぞんでいないってインタヴューで・・・」


「知ってるんだ?僕、インタヴューはイメージ守るくらいしかしてない」


「好きな食べ物、ケーキじゃないの?」


「嫌いじゃないけど、僕が好き食べ物はカステラだ」


「・・・はぁ!?カステラをケーキだって思ってたの?」


「いや、違うよ。違う、違う。大丈夫。大丈夫です。君のことが大好きです」


「ヤバい、僕って時々めんどくさいやつなんだよ!」


「どこが?」


「・・・え?」


「君と話してると楽しいよ」


「そうなの?」


「うん」


「・・・実はね、家の前に爆発物ばくはつぶつだとおぼしきものが置かれてあったりとかした」


「・・・そうか・・・極秘ごくひのはずなのに・・・内部ないぶに何かいるかもしれない」



「今回はこれくらいで区切って下さい」


 自衛隊がそれを言うと、カメラ画面はふつりと作動さどうえた。



 翌日、極秘のはずのPCでの会話がゴシップに流れていた。


 動揺どうようしている母に起こされて、テレビをつけたらその場面だった。


 僕がアトリムグラスであることが勝手かってに流れていた。


 そして、担当の自衛隊員は、軍をめて外国に引っ越したあとらしい。



 家にファンとアンチがおしかけた。


 その対処たいしょに警察と軍までもが働いた。


 ボシュンは家から出たくないって言うし、存在が知られるとまずい。


 なので家ですごすことに。


 窓を割ろうとしたのは近所の悪ガキで、逮捕たいほ


 ステンドグラスだったからだ、と言われた。


 

 なんだか苛々(イライラ)する。



 ステンドグラスは光の影を落とす。


 時々、目が痛い。


 ・・・なんでそんなこと書き出してるんだろうう?


 うん、まぁ、いいか。



 ボシュンが今、ぴょんぴょんねて踊っている。


 どうしたの、って聞いたら・・・


「オーイェイ、アーイエィ、ラッヴィーング♪、俺様は、ラビット♪」と歌っている。



 問題は母で、動揺が落ち着かない。


 心配だ。



 窓を開けてみたら、「へんたーい」と叫ばれた。


 さすがにショックで、理解するつもりのない下品げひんなひとたちにあきれた。


 悲しいさがだ。


 変わってほしいのか彼らの人格の詳細しょうさいは分からないけど、


 にじみ出る彼らとの少なからずの対面の印象いんしょうで、絶対的ぜったいてきかかわって欲しくないと思った。


 アンチ最悪。


 足広あしひろげろとか言われた過去を思い出してしまった。

今回の絵お話には個人情報保護法をやぶる自衛隊員が登場しますが、実際にそんな事実があるのか詮索しないで下さい。こちら責任はとれません。

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