1 日曜日の街市
【豆知識】
ディーヴァ・・・歌の天才のこと。その称号。
日曜日の街市で雰囲気のある雑記帳とアンティーク調のLEDランプを手に入れた。
これを機会に雑記か日記を書こうかと思う。
僕の名前は「明那」。
現在15歳、明日から「たしなむ程度」なら酒を始めてもいいって母に言われた。
明日は白ワインとスパイスチキンをいただく予定。
今から楽しみだ。
精神性別は未明・・・だから、「僕」って書いた。
実はまだ未経験。
興味がなくもないけど、今は色気より食い気のほうが強いかなぁ。
体格は中肉中背、身長は150センチとちょっと。
好きな食べ物は「莓」か「カシューナッツ」。
ブーゲンナッツとパプとメンヤはリアルに好きなものっていうの隠してる。
一番好きかどうかは分からないけど。
なんかカレーにしたら美味しそうな隠し味になりそうなもんばっかり。
ああ、莓はカレーには・・・いや、カレーにして欲しくないものでいっぱいだ。
書いていて動揺した。
すげぇな、雑記帳。
そう言えば前置きは書いたし、書いておかねば。
アトリメデューナに恋をした。
近所に散歩に出たら、住宅街の塀の向こうの屋根から飛び降りてきた。
弾む息に、長めの髪、身長が160センチくらい。
中肉中背の超絶美形・・・そして、黒髪に青い瞳。
カラーコンタクトを入れているのかな、って思っていたら声をかけられた。
「助けて・・・」
怒号が近づいて来る中、抜け道を知っていたので日曜の街市に導いた。
ひとがわいわいしていて、「これでまけたかも」とぼやく。
「君って、アトリメヂューナの・・・」
「しっ」
そしてふたりで市を巡って、膝丈ヒダスカート付きスーツを着た「ローザ」と話す。
これからレコーディングの契約だが、なぜか気まぐれに逃げ出したのだそうだ。
僕はローザが、アトリメデューナだって知っている。
「死んだ親父が昔、君のSPだったんだ。差別みたいなのはしてない」
「わたしの秘密を知っているの?」
「アトリメデューナなんだろう?」
「ほ~・・・」
そこに黒いスーツを着た強面のSPたちがやって来た。
「楽しかった。僕、君のことが嫌いじゃない」
「そう、ありがとう」
ローザは僕の唇に遠慮無く突然にキスを贈って、微笑んだ。
「印象を残しておきたくて」
ディーヴァの異名を持つの有名人「ローザ」に、憧れていた。
まさかキスされるなんて・・・
どうやら僕の、報われるわけがない恋が発芽した。
連載はじましました。
予約機能で朝7時に更新予定。
心身面が不安定なので、毎日できるかはまだ分りません。
どうかご了承を。