ロベリアはスズランを知る
ロベリア 中央地区教会内
扉のやつらを始末した我らは魔術結界の破壊に取り掛かった。
魔術結界は固いクリスタルでできており2層に分かれている。
魔物の一撃程度では壊れることはない。
しかしクリスタルに傷が作るので少しずつ削ることはできる。
そして2層目のほうに魔術結界を起動している核がある。
それを破壊すれば人間は魔術を使えなくなる。
急に後ろが騒がしくなった。
後ろを振り返ると人間どもは土魔術で柵を作っている。
我らを閉じ込めるつもりのようだがその程度では時間稼ぎに過ぎない。
あと10分もしないうちに破壊できるのに柵を作ったところですぐ壊れる柵しか作れまい。
せいぜい1時間も持たないだろう。
先ほどと同じ結果になるだけ。
むしろ向こうは魔術を使えなくなるのだからさらに危機的状況になるだけよ。
「早く!スズランが来る前にできるだけ柵を作って強くするのよ!」
スズラン?それが向こうの軍師の名前か?
名前からして女であろう。
そもそも他の扉を補強していなければ閉じ込めるなどできない。
女の考えではそれが限界か。
我らの閉じ込め程度の浅知恵、しかも穴のある作戦しか思いつかなかったか。