状況整理
スズラン 中央地区教会内
感謝の気持ちでいっぱいになって胸が熱くなる。
しかしそんな状況でも避難民が増えていく。
とにかく何とかしないとと思った私は頭を切り替えて考え始める。
きっとこんな状況になったのは情報の伝達のスキを突かれたんだよね?じゃあ私たちがしなくちゃいけないのは、情報の共有だと感じた私はみんなに質問する。
「とにかく情報を共有しましょう。アヤメさん、領主邸を襲った魔物はどんな魔物で何体くらいいましたか?」
「空飛ぶ魔物で40体以上いたのは確認したのですが正確な数まではわかりかねます。」
「お母さん、仕事場からどうやって来たの?」
「教会の南側にいたら休日中の仕事仲間が飛び込んできたのよ。研究資料を持って教会へ行かないととね。念のために近くにいた守備隊の人に南側と西側の人たちに避難を呼びかけたわ。領主邸から守備兵が来ると思ってたから攻め込んできた以外の場所は近くの門の塔に逃げ込むようにと。」
「どうしてお母さんたちは教会のほうに来たの?」
「塔にはあまり食料がないのよ。せいぜい50人くらいの人が3日程度しか持たないくらいしかないの。その場にいた人たち程度ならともかく一斉に集まったら耐えられないわ。この教会のほうは500人単位で数日以上持つほど地下にあるの。それに塔といっても櫓といったくらいの守備力しかないのよ。私は研究資料を守る必要があったしね。」
私は最初に逃げ込んできた人にも順番に西門の状況を聞いて回った。