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スズランが頑張る理由

スズラン 喫茶店周辺



「あと少し気になったんだけどあなた少し自己犠牲が過ぎる気がするけどどうしてそんなに頑張るの?」


自己犠牲?そんなつもりはないんだけどね?でも他の人が見てそう思うならそうなのかも。


「そう見えますか?」


「見えるわ」


即答だった。そこまでなのかな・・・・


「たぶんあなたここで働かせていただいてるとか考えてない?」


「!?な・・・なんでわかるんですか!?」


読心術の使い手なの!?


「やっぱりね、なんとなくそんな気はしたけど予想通りだったのね。」


ジト目をしてこちらを見ている。


「この世の中は等価交換なんだからあんまり卑屈になっちゃだめよ?店長だってあなたがいるからこの店が回せてるんだから必要とされてるんだし」


「!・・・そうですね。」


涙が出てきた。ずっと言われたかった言葉だった。


自分は必要な存在だとずっと言われたかった。


今までありがとうとか助かるよとかは聞いたことはあったが必要だとはっきり言われたのは初めてだった。


「ちょ・・・ちょっと!なんで泣くのよ!?」


「す・・・すみません・・・・実は・・・・」


私は父のことを話して魔術が使えない自分が必要とされてないんじゃないかと悩んでいたことを話した。


「・・・・・はぁ~・・・・そういうことだったのね・・・・」


「すみません。こんなことパンジーさんに関係ないのに」


パンジーさんはムッとした顔で怒っていた。


「あのね!友達が泣いていて関係ないなんて言わないわよ。それに・・・・あぁもう!」


「えっ・・・?」


パンジーさんは手を取って喫茶店に引っ張っていく。


「パンジーさん!?」


「黙ってついてきなさい。」


そう言い店長の前まで連れていかれる。


「店長さん?」


「はい?何でしょうか?」


「この子自分は必要とされてないんじゃないかと悩んでるの。はっきり言ってやってくれないかしら?」


「ちょっと!?パンジーさん!?」


「スズランちゃん?自分が必要じゃないなんて思ってたの!?」


「う・・・・は・・・・はい・・・・」


居た堪れなくてうつむく。


「何言ってるんだよ!スズランちゃんは必要だよ!!むしろずっといてほしいくらいだよ!」


「えっ!」


初めてはっきりと言われた言葉にうつむくのをやめる。


「ね?誰もあなたのことを必要ないだなんて思ってないわ。だからそんなに卑屈にならないで。」


「パンジーさん・・・・・ありがとう・・・・」


拭った目元から再び涙が流れた。

スズランは父から『教えてもらったことをほかの人のために使いなさい』と言われています。

教えてもらったこと=魔術のはずだったのにそれが使えない自分は存在価値がないんじゃないじゃないか?父の最後の言葉すら守れない自分なんてと悩んでいたのです。自己犠牲が激しいのもそれが理由ですね。

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