第4話 主人公は財閥令嬢と仲良く登校する
「あっ……」
門の外に黒色のすごい高級車が止まっているのが見えた。
車の中から清秀院さんが顔を出すと、嬉しそうに手を振り始めた。
僕も清秀院さんに手を振り応える。
「優ちゃんの友達?」
後ろから母さんが心配そうな声で聞いてきた。
「あ、うん。その実は……詩織と別れて彼女と付き合う事に……」
「嘘っ!! 優ちゃんが詩織ちゃんを振ってあの子に乗り換えたなんて! お母さん……詩織ちゃんのママに何て言えばいいの……」
あ~、母さんなんかすごいショックを受けてるよ。
母さん詩織の母親とすごく仲がよかったからな。
「違うよ母さん、勘違いしないで詩織が先に僕を振ったんだよ」
「……ほ、本当に。……でも、別れちゃったのよね……」
母さんは詩織を娘みたいに可愛がってたからな、あいつも母さんの前じゃ妙にしおらしかったし。
「仕方ないよ、詩織が他の男と付き合うからって僕を振ったんだから」
「ええっ、あの詩織ちゃんが優ちゃん以外の男の子と……寝取らr……れ?」
なんか母さん、またショック受けてるな。
「優斗様、お母様、おはようございます」
気が付くと清秀院さんが車から降りて近くまで来ていた。
「あっ、清秀院さんおはよう。母さん紹介するよ、彼女は清秀院結愛さん。清秀院さん母さんです」
「お母さま初めまして、どうか末永くよろしくお願いします」
清秀院さん、すごく丁寧なお辞儀をしているな。
「これはご丁寧に、そんなにかしこまらなくてもいいのよ。どうか優ちゃんをよろしくね」
「はい、お母様」
「あの、もしかして清秀院さんは……清秀院グループの方かしら?」
「はい、父は清秀院義澄です」
「……優斗の事……どのくらい知ってるの?」
母さんの表情がなんかちょっと真剣で怖いんですけど。
「母さん何聞いてるの。清秀院さんとはまだ付き合い出したばっかりだからね」
「……そうなの。清秀院さんごめんなさいね、ちょっと気になっちゃって」
「いえ、お母様大丈夫です。平岩さんと優斗様がお付き合いしていた事はちゃんと存じておりますから」
「そうなのね、だったらいいの。じゃあ改めて優ちゃんをお願いね」
「はい、お母様!」
ーー
ー
俺の家から学校まではそう遠くない、だから俺の通学は徒歩だ。
昨日まで俺の隣には詩織が立っていたけど、今俺の隣を歩いているのは学校一の美少女、清秀院結愛だ。そのため通学中の他の生徒たちの注目を浴びてる。特に男子生徒の視線が痛い。
「清秀院さん、わざわざ家に迎えに来てもらってごめん。まさか来るとは思ってなかったからびっくりしたよ」
「ふふふ。わたくしが優斗様とこうして歩いて登校したかったんです、ですから気にしないでください」
ああ、やっぱり清秀院さんの笑顔は可愛いな。
「……そうなんだ」
「そうなんです。……優斗様、実はもう一つやりたい事があるのですがいいですか?」
「うんいいよ」
こんな可愛い彼女のお願い、断われないよ。
「では失礼します……」
えっ、清秀院さんが俺の左腕に右腕を絡めてきて……。
む、むねが当たってる!!
「わたくし、こうして優斗様と歩きたかったんです」
「そ、そうですか……」
清秀院さんは嬉しそうにニコニコほほ笑んでる。
詩織とは腕を組んで歩いた事なんて一度もなかったから、これは恥ずかしい。でも俺は奥手だけどスケベだ。だから恥ずかしいと言って彼女の腕を振りほどいたり、離してなどとは絶対に言わないぞ。
ん、なんかやたら視線を感じる……。
見ると男子生徒が鬼の形相で睨んでた。ちょっと、気持ちは分かるけどやめてください、小心者なんで怖いです……。
「……あの、もう一つだけお願いしてもいいですか?」
「うん、もちろんいいよ」
「では清秀院さんや結愛さんではなく、結愛と呼んで頂けませんか?」
「そ……それは、敷居が高いと言うか……」
そんな悲しそうな目で見ないでください。……そうだ。俺は明るく男らしくなるんだった、だったら。
「ゆ……結愛」
「はい、優斗様♡」
清秀院さんは嬉しそうに俺の左腕に絡めた右腕をギョッと強めて寄り添って来た。
そして彼女が強めた力に比例して乳圧は強まった。
―僕の彼女のおっぱいは最高です。