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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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*********





7月2日。


朱音は絶対に残業をしないという強い信念を持っていたのに、こういう日に限ってトラブルという物は発生して、定時より一時間以上遅れて会社を出るとLINEで冬真に謝罪と今会社を出たことを送れば、すぐに、わかりました気をつけて帰ってきて下さいとだけ返信が来ただけで特にお迎えは無いらしい。


あの一件後、朱音は冬真に帰る連絡をすることが苦では無くなった。


かなり遅くならなければ迎えに来ることも無く、連絡を忘れても冬真から連絡が来ることも無いので、少しそこは寂しく思うとこではあるのだが。


冬真も健人も仕事の調整をして今夜一緒に過ごすということで、昨夜は珍しくアレクから何か食べたいものが無いのか朱音は聞かれたのだが、『アレクが作る物は全て美味しいから何でも良いです』と素直に答えたところ、漆黒の目が丸くなった後眉間に皺を寄せて、わかりました、と去って行った。


健人がそれを見て『朱音は女慣れしてない男を天然で殺していくタイプ』と言えば、冬真は『それでストーカーに遭いそうですし、悪い男に簡単について行きやすいのも心配』と言って二人でうなずき合っているのを、とりあえず褒めてはもらえていないことを理解して朱音は複雑そうな顔をした。


ずっと今夜を楽しみにしていた朱音は顔がにやつきそうになりながら既に慣れたように洋館のドアを開ければ、なんとも食欲をそそる良い香りがロビーに充満していて、反射的によだれが溢れそうになっているとキッチンのドアから健人が出てきた。



「お帰り。食事はお前の準備が整えばスタートにするから、用意できたらまずはリビングに来いよ」



「ただいまです!はい!すぐ着替えてきます!」



笑顔の朱音は急ぎ足で部屋に入り、それを見て健人は笑みを浮かべてキッチンに戻った。




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