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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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六月も残りわずか、朱音は仕事終えオフィスの入るビルのエレベーターに乗り込むと、決めごとのようになっている帰る時間を冬真にLINEしようかとスマートフォンを鞄から出す。


夕食を家で取るようになってから、食事を準備する時間があるため帰る時間を報告することになっていた。


付き合いなどで遅くなるときは事前に伝え、そんな時でも終わると連絡を入れることになっている。


すると駅までアレク、健人、冬真の誰かが迎えに来るのだ。


駅から洋館までは暗いし坂道ではあるが、夜の八時以降は絶対に一人で帰るなと言われ、誰も行けない場合は後で費用を払うからケチらずに必ずタクシーで帰ってくるように言われている。


心配しているからだとわかっていても、なんだか酷く子供扱いされているようであまり嬉しくは無い。


それに何か管理されているような気もして、以前、大丈夫だから一人で帰れますと言うと笑顔で却下された。


住む場所に困っていたところにあんな素晴らしい部屋を無料で貸してもらい、食事まで出してもらっている。


申し訳なくて何度か光熱費や食事の費用を出すと言っても一切受け取ってもらえない。


洋館に住むときになったとき何故前のアパートを借りたのかを聞かれ、給与の手取り額、大学の奨学金の返済、そして実家に仕送りしていることを伝えると、冬真は笑みを浮かべずに、浮いたお金は自分への投資に使って下さいと言った。


きっと投資というのは資格と取るための費用や滅多に買わない洋服などを買うことなのだろうが、朱音としては複雑な心境になってしまう。


ビルの一階ロビーを歩きながら何だか連絡をするのが億劫になりそうになったその時、後ろから声をかけられ振り向けばそれは同じ会社に勤めている女性だった。




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