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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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5




「下宿・・・・・・そう、だね、そんな感じかも」



「大家さんってお年寄り?」



『恐ろしいほどのイケメンで実は魔術師なんだよ』



なんて言えるわけが無ければ、イケメンだと言ってしまうと洋館に来たいとか、写真を見せろとか言われそうだ。


むしろ私だって写真が欲しいと、時々冬真を見ていて思ってしまう。


冬真がリビングのソファーでうたた寝しているのを発見したときには、あまりの麗しさに撮影したくなってこっそり部屋にスマートフォンを取りに戻ったのだが、リビングに戻ると、おや、何かこっそり撮影したいものでもありましたか?と笑顔で聞かれ、完全に思惑がばれてしまう私は探偵とか向いてないんだろうな、としょげて部屋に戻ったこともある。


あの夜『魔術師秘書』だなんて冬真に言われたが、あの後やったのは秘書と言うよりちょっとしたお手伝いだけ。


来客のお茶出し、依頼者さんの出迎えお見送り、時々宝石の話しを聞かせてもらったりで、全く危険を感じることは無い。


外にそれも深夜に冬真が外出しているのは気づいているが、そういう時には一切声をかけられないし、その内容も聞かされない。


いかにも冬真が魔術師としての仕事を見たのは最初のあの事件だけで、怖かったけれどまたあのような仕事している冬真を側で見てみたいと思っているのに、何も無くてむしろつまらない。


大家さん何歳くらいの人?もしかしてイケオジとか?と興味津々で聞いてくる友人達の声で我に返ると、朱音は心の中で冬真に謝罪しながら、



「ううん、普通のおじいさんだよ」



と答え、友人達がそっかーイケオジなら見に来たかったのにとか、いい人に下宿させてもらって良かったね、と何の疑問も感じずに話す様子を見ながら、そう答えたのは自分のくせに、若くて品があって優しくて綺麗で凄く素敵な人なんだよ!と自慢したくなる気持ちが出そうになるのを必死に我慢していた。



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