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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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「で?」



一言、感情の感じない声で冬真が発すると、目の前の女子高生が泣きそうな顔をする。


ブレザー、短いチェックのスカート、白いだぼっとした長い靴下を履いて、髪はパサついた長い金髪、そして顔が、真っ黒だった。



「いやいや!それは無いっしょ?!


こう!何か褒め称えることとかあるじゃん!?」



「特に報告することが無かったのならこんな時間に呼び出さないで下さい」



そう言って椅子から立ち上がった冬真に、待って!と焦ったように女子高生が声をかける。



「あーもう、つまらん男だなぁ。


はいはい、報告してやるから」



その言葉に冬真は無表情で椅子に座ると、女子高生は台に座ったまま足を組んだ。



「お前さんの報告にあったジェムだが、結論として渡した相手にはたどり着けなかった。


巧妙に何人もの手を渡らせていたが、大元はネットで購入したらしく、その販売元は不明。


サイトのアドレス等も第三国をいくつも経由して足跡をたどれなくさせている巧妙さだ」



女子高生とは思えない話し方をして、お手上げという風に両手を横に挙げて肩をすくめた。



「あのジェムは回収をして分析中だが、わかりやすいものが刻まれていた。


・・・・・・薔薇十字だよ」



冬真はその答えにぴくり、と指が動く。



「あれは、人体実験用ですか」



「どうかね、彼らが作成したのだとしたらおもちゃに近い代物だ。


どう日本で流通するのか、どう動くのか、観察するためだったのかもしれん」



女子高生の言葉に、冬真は顎に手を当てて考えていた。



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