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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第三章 君を守る檻とルビー
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午前二時。


住宅街であるこの場所では、メイン通りでも人気は無い。


メイン通りから少し入り、正門では無く裏口からとある敷地に入る。


まるで砦にも思える重厚感溢れる石で作られた教会の入り口のドアを開ければ、ステンドグラスから入る明かりだけが中を照らし、それがより厳かな雰囲気を醸し出している。


壁沿いに中を進み、一見レリーフにしか見えない部分にある隠し扉から階段を降りると突き当たりにある古びた木の扉を開けた。


ギー、という音でドアが閉まると、明かり一つ無かったその部屋の壁に一つずつ明かりが現れ、奥にある壁には十字架がかけられいて、ここが教会地下にある小さな教会だとわかる。


適当に並んでいる冷たい木の椅子に座ると、十字架の前にある台の上には何故か、女子高生が足をぶらつかせながら座っていた。



「で?」



一言、感情の感じない声で冬真が発すると、目の前の女子高生が泣きそうな顔をする。


ブレザー、短いチェックのスカート、白いだぼっとした長い靴下を履いて、髪はパサついた長い金髪、そして顔が、真っ黒だった。



「いやいや!それは無いっしょ?!


こう!何か褒め称えることとかあるじゃん!?」



「特に報告することが無かったのならこんな時間に呼び出さないで下さい」



そう言って椅子から立ち上がった冬真に、待って!と焦ったように女子高生が声をかける。



「あーもう、つまらん男だなぁ。


はいはい、報告してやるから」



その言葉に冬真は無表情で椅子に座ると、女子高生は台に座ったまま足を組んだ。




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