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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第二章 パライバトルマリンと人造石の輝き
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32



気になって声をかけようとしたら、冬真が目を開け朱音に視線を向ける。



「ワインを飲みたいんですが、朱音さんも付き合いません?」



「ワインですか?うーん、飲みやすいのなら」



「じゃぁ朱音さんはサングリアにしましょうか、アレクの手作りで甘くて美味しいですよ?」



冬真は笑っているけれど、朱音には意地悪そうに、そして思い切り子供扱いされているのがわかって口をへの字にした。


早速アレクが目の前のテーブルに、大きなワイングラス、そして朱音の前にはフルーツがふんだんに入った赤い飲み物がタンブラーで用意される。


アレクが透明なグラスにワインを注げば、それが濃い赤で満たされてゆく。



「では。朱音さんの初めての魔術師秘書を祝して乾杯!」



「えっ?」



冬真のかけ声に、朱音はグラスを持ったまま、一言発して停止する。


秘書?魔術師秘書って?



「今、魔術師秘書って言ったんですか?


なんで祝されてるんですか?!」



冬真はご機嫌にワインを堪能し、テーブルにはアレクがつまみにと用意したチーズやフルーツの乗ったお洒落なカナッペが置かれ、朱音は冬真のスーツを引っ張って焦っている。


もしかしたら自分は最初から冬真の罠にはまってしまったのだろうか、いやどこの時点から?そもそも魔術師秘書って何するの?!


笑っている冬真に朱音が必死に声をかけるそのそばで、テーブルに置いたオレンジやリンゴの輪切りの入った赤い液体に浮かぶグラスの氷が、カラン、と何かの始まりを教えるかのように綺麗な音を立てた。



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