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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第二章 パライバトルマリンと人造石の輝き
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「あなた、性格悪いわね」



ため息をついて理恵子が言うと、冬真は何も言わずただ笑みを浮かべた。



「さて、それを踏まえて一つご提案です」



冬真は席を立つと、部屋の隅にあるチェストの上にある黒い箱を手に取る。


その間にアレクがいつの間にかやってきて、紅茶をつぎ足して部屋を出て行く。


冬真はテーブルに戻り、平たい箱を置くと、それを開けた。


そこから小さな黒いベルベッドの長方形の受け皿のようなものをとって、理恵子の目の前に差し出した。



「これ、ダイヤモンド?」



その入れ物に並んでいたのは、透明な宝石のルース。


部屋の中の光を全て集めて解き放っているように輝かしい。



「やはりダイヤモンドは美しいわね。


こんなに大きいの、値段がわからないわ」



「これで約5カラットですが、品質の良い物なのでだいたい60万くらいでしょうか」



「・・・・・・もしかしてこれ、偽物?」



ダイヤモンドがこの大きさでそんな額だなんてありえない。


騙されたと、理恵子の声は不機嫌だ。



「これはモアッサナイトと言って、今ダイヤモンドに一番近い人造石です。


ですがダイヤモンドに似せた有名なキュービック・ジルコニアのようなものとは違い、これはダイヤモンドに近い性質を多く持ち、海外ではダイアモンドではなくむしろモアッサナイトを好んで購入されている人も多いんです。


せっかくなのでこちらと見比べてみて下さい」



そういうと、小さな袋から透明なルースを一粒、モアッサナイトの横に置く。



「もしかしてこれがキュービック・ジルコニア?」



「正解です」



理恵子が色々な方向から置かれた透明な石を見た後顔を上げそう言うと、冬真はにっこりと微笑んだ。



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