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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第二章 パライバトルマリンと人造石の輝き
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「例えば、さっきのサファイアくらいの大きさなら?」



じっと聞いていた理恵子が思わず聞く。



「パライバトルマリンであのようなカラットがあるなら、そもそも値段がついていません」



そう言った後、既に冷えたホットチョコレートを下げて紅茶を持ってきたアレクに冬真は礼を言うと、一口飲んだ。


そんな冬真を理恵子と朱音は早く聞きたいとばかりに見ている。



「そうですね・・・・・・せいぜいあのサファイアの半分くらいの5カラットくらいだとして、あぁカラットは大きさでは無く個体の重量なんですが、パライバ州の物で高品質、カットも良いとなれば1000万くらいはいってもおかしくはないでしょう。むしろお買い得な場合もありますね」



理恵子も朱音も声を出さなかった。ただ口はあんぐりと開いていたが。


あのサファイアの大きさの半分で値段は段違い、理恵子は声を出そうにも出しにくいほどの衝撃だ。



「そ、そんなの無理に決まっているでしょう?!買えるわけが無い!」



「ですから最初に、金額は抜きにして、と前置きをしたのですが」



ぐっ、と理恵子が悔しそうに睨み付ける。



「加藤さん、貴女はあの女性のサファイアよりも上の宝石を周囲に見せることで、ようは目立ちたい、注目を浴びたい、一泡吹かせたい、というのが真意でしょう?」



冬真はただそこに座っているだけなのに、一歩一歩追い詰められているように感じて理恵子は無意識に身体を椅子の背に押しつけた。



「でもおわかりですよね、もうそんなことをしても主役の座が戻ってこないことは」



顔を硬直させていた理恵子が、冬真の視線に耐えかねたように顔を背ける。


朱音はただハラハラしながらその様子を見ていた。


きっと冬真には考えがあってやっている。


そう思うけれど、苦しんでいる理恵子をより追い詰めているようにしか見えなくて可哀想でたまらない。



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