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横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第二章 パライバトルマリンと人造石の輝き
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「朱音さん?!」



悲鳴を聞きつけた冬真が二階から素肌に羽織ったシャツの前ボタンを閉めながら駆け下りキッチンに入ると、足下には目を見開き震えながら座り込んでいる朱音、目の前には真っ裸の男が立っていた。


冬真はすぐさま朱音の後ろにまわり、彼女の目を手で覆う。



「Three、two・・・・・・」



「わかった!わかったから!!」



突然三秒前からネイティブな英語のカウントダウンが始まり、ダビデは一目散にキッチンを出ると、どかどかと二階へ上がり、バタン!とドアが閉まった。



「大丈夫ですか?」



そっと手を外し前に回った冬真が心配そうにのぞき込むと、朱音は口を開けたまま真っ赤になっている。



「すみません、朝から住人がとんでも無いことを」



朱音は叫んだもののその後は言葉が出ずに、困惑したまま冬真を見た。



「朝食後に挨拶させますから。


あ、会うのも嫌なら排除しておきますよ?」



なにげに物騒な言葉を交ぜながら冬真は朱音に提案をし、朱音は呆然としたまま頷いた。


ここの洋館に引っ越してきて朱音がまともな朝食を取ってないことに気が付いた冬真は、ほぼ強制的に朝食を一緒に取るようにさせた。


晩ご飯もアレクがきっちり用意をしており、朱音は食事代などを払うと冬真に申し出たのだが、費用はたいして変わらないと笑顔で断られ、以前より遙かに豪華な部屋と健康に配慮した食事を取っている。



朝食にさっきの男は同席せず、目の前には焼きたてパンに目玉焼き、カラフルなサラダなど盛りだくさんの内容が並ぶ。


冬真は家にいるときは基本紅茶しか飲まないため、今朝も朱音と冬真には紅茶が出ている。


アレクがオリジナルで組み合わせた茶葉もかなりあるため、朱音は毎朝どんな紅茶が出てくるのかも楽しみの一つだ。


冬真と向かい合い、たわいないおしゃべりをして食事をするのだが、まだイケメン過ぎるハーフを前にして食事をするというのは朱音にとっては緊張するものがあり、朱音はパンを手で小さめにちぎって口に運びながら早く慣れますようにと心の中で願っていた。



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