表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第五章 偽りのラピスラズリ
192/199

34



朱音は毛布がフードのようになって自分の足下が何とか見えるだけ。


外はサイレンの音や騒ぐ人々の声が聞こえているはずなのに、自分のめまぐるしい状況に感情が追いつかない。


少し歩いた先にあった車のドアが開いて、冬真は朱音を先に座らせ隣に冬真も乗り込むとすぐに車は動き出す。


冬真はスマートフォンを出して健人に電話をかけ、状況と要件を伝えて電話を切ろうとしたら肩に毛布を被ったままの朱音がよりかかり、小さな寝息が聞こえてくる。


冬真は朱音が寝てしまったのを見てため息をつくと、もう一カ所に仕方なく電話をかけた。



「女性の人手を貸して下さい。それと着替えを一式。


えぇ、先日の件手伝いますよ、仕方がありません」



電話を切ってほどなくして洋館の駐車場に着けば、健人が外で待っていた。


後部座席のドアを開けてアレクと健人で抱えて朱音が以前使っていた部屋に運ぶと、今度は洋館のベルが鳴りそこには若い女が二人、荷物を持って立っていた。



「ではよろしく」



「はい」



冬真の言葉に無表情で女が答えると朱音の寝ている部屋に消え、ロビーでそれを見ていた健人がリビングに入り冬真もそれに続く。



「で、どうすんだ?」



どかりとソファーに座った健人が、水に濡れた前髪を掻き上げて息を吐いた冬真に問いかける。



「オーナーから当分朱音さんの部屋は使えないからホテルを代替にと提案されましたが断りました」



ソファーに冬真が座ると、アレクが温かいハーブティーを冬真と健人の前に置き、冬真が一口飲んでも健人は口をつけない。



「なので朱音さんはここに戻します」



その答えを聞いて健人は額に手を当てた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ