表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
横浜山手の宝石魔術師  作者: 桜居 かのん
第五章 偽りのラピスラズリ
190/199

32






朱音のマンションの付近は何台もの赤い大きな消防車が道路一杯に並び、そこを多くの野次馬でごった返していて車は途中で道を阻まれた。



「アレクはどこかに車を。僕はここで降ります」



冬真が車を降りると焦げ臭い臭いが鼻をつき、野次馬がスマートフォンで写真を撮りながら興奮気味に盛り上がっている。


冬真はそんな人間達を横目に路地裏を進み朱音のマンションの近くに来て見上げれば、マンションの一室から火が出たのか、ベランダもそしてその上の階まで火が伸びたことがわかるように白かったはずの壁が真っ黒になっている。


そしてその火の出ていたと思われる部屋は朱音の二つ下の階の部屋で、朱音のベランダの様子はわからないが、放水が未だに続き周囲の地面には大量の水が流れている。


近くに何台か救急車が止まっていて、周囲に怪我をしたような人、運ばれている人を見て冬真はその中を足早に探しながら鼓動が早まる。


自分の頭に放水された水が飛び散って濡れているの事など気にもせずに。


マンションの裏手に停まっている救急車の後ろで毛布を被ってうずくまり、救急隊数名に囲まれている一人の姿が目に留まった。



「朱音さん!!!」



大きな声、そして聞き覚えのある声に、朱音は顔を上げ周囲を見回す。


そこにはロングコートの冬真が走ってこちらに向かってくるのを、朱音は訳がわからずただ見つめていた。



「朱音さん!無事ですか?!怪我は、どこか怪我をしたんですか?!」



大きなゴミ袋を抱えて全身ずぶぬれでうずくまっている朱音が呆然と冬真を見上げていると、すぐ側にいた救急隊員が冬真を不審そうに見る。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ